クラーナは欧州と米国のEコマース業者らに後払い方式の決済ソリューションを提供中だ。クラーナのユーザーたちは、Eコマースサイトで欲しいアイテムを見つけたら、メールアドレスと住所を入力するだけでいい。クラーナはそのユーザーの支払い履歴やウェブの閲覧履歴を分析し、信頼できる人物かどうかを判断し、商品の売り手に代金を支払う。
今回の調達はサンフランシスコのDragoneer Investment Groupの主導で、クラーナは今後、米国での事業を拡大する。出資にはオーストラリアのCommonwealth BankやHMI Capitalらも参加した。
Dragoneerの資金調達パートナーのMarc Stadは「クラーナは独自の決済ソリューションで基盤を築いており、今後の大きな成長が期待できる」と述べた。クラーナは今年4月にも1億ドル以上の資金調達を実施し、評価額は35億ドルとされていた。著名ラッパーのスヌープ・ドッグも、本名のカルバン・ブローダス(Calvin Broadus)名義でクラーナの出資に参加している。セコイア・キャピタルも同社の出資元だ。
2005年創業のクラーナは4年前に米国事業を立ち上げたが、拡大に苦戦し2017年には米国従業員の半数をレイオフしていた。その後、米国でクラーナを導入した企業は3000社にまで増え、ASOSやToms、Superdry、Sonosらが利用中だ。また、H&Mやアバクロンビー&フィッチらも導入の準備を進めている。
クラーナの共同創業者でCEOのSebastien Siemiatkowskiは、かつてバーガーキングで働いていた時代にNiklas Adalberthと知り合い、同社を立ち上げた。「顧客らに透明性が高く、クリエイティブな金融サービスを提供していきたい」とSiemiatkowskiは声明で述べた。「今後、当社のサービスを世界に拡大するなかで、米国は最も重要な市場の1つだ」とSiemiatkowskiは続けた。