同社は、クリエイティブ・マーケティングのプロフェッショナルとして、広告代理店、デジタルクリエイティブ、新規事業開発など、それぞれ異なる分野で活躍してきた梅田のほか、佐々木芳幸、高木新平という同世代の3人で共同創業した。
事業内容はクリエイター、事業家・投資家が手を組み、世界を変える可能性を秘めたスタートアップ企業に対して、クリエイティブ・マーケティングの知見を「投資」し、ビジネスにおける成長をサポートするというもの。
バックグラウンドの異なる11人がチームに
少し言い方を変えれば、クリエイティブ版のベンチャーキャピタルと言えるだろう。成長が期待されるスタートアップに対し、キャッシュではなくクリエイティブやマーケティングの知見を投資する。投資もキャッシュではなくストック・オプションを得るのが最大の特徴だ。
NEWSには上述した3名のほか、スタートアップ企業と長期併走することを逆算し、デザイン思考を駆使する岩下恵、編集者のカツセマサヒコ、お金のデザイン社でCFOを務めた坂田宏、小売のスペシャリストである最所あさみ、クリエイターエージェントであるwwwaapの中川元太、様々な企業で話題となる採用や事業を行ってきた夏目和樹、複業や働き方を手がけるHARESの西村創一朗、HOTEL SHEで知られるL&Gグローバルビジネスの龍崎翔子と多種多様なバックボーンを持つ人材が集まっている。パートナー企業ごとに最適なメンバーが参加し、最適なアドバイスを行っていくという。
たとえば、SNSで人気の漫画家・イラストレーターを中心としたクリエイターエージェントを手がける中川には「キャラクターを基軸とした新しいブランディング」、ソーシャルホテルをコンセプトに全国に展開する龍崎には「世代の感覚」をといった具合に各分野のプロフェッショナルと企業のこれまでにないマッチングを期待しているという。
「それぞれが自立しながら企業にも属する“分散型組織”として運営していくことで、クリエティブを投資するという短期的ではないビジネスモデルの耐久性を高めているのも特徴だ」と梅田は語る。
10%+の改善のためか、10xの成長のためか
「企業とともに働くクリエイターである私たちが、問われているのは限られた創造的10年の使い道。10%+の改善のためか。それとも10xの成長のためか。もっと言うと、人に希望を与えられたか。社会を前進させたか。世界に貢献したか。自由を生み出せたのか。そんな課題意識があった」と梅田は設立の経緯を語る。
既存の広告代理店のようにあらゆる業種業界から請け負うのではなく、社会を変えうるスタートアップに特化したクリエイティブスタジオの方が社会を前進させられる役割を担えるのではないか、という梅田の考えから「NEWS」の構想はスタートした。