ビジネス

2019.08.07

創刊から5年。日本を熱くする「CRAZY for GOOD」って何だ?

左から、WELgee代表の渡部清花、ミツフジ代表取締役社長の三寺歩、ラクスル代表取締役社長CEOの松本恭攝


「お前の話を聞きに来てるんじゃねえんだよ!帰れ!」─WELgee代表 渡部清花(2018年)



昨年の「30 UNDER 30」でソーシャルアントレプレナー部門に選ばれた渡部清花。2016年、東京大学での講演会中に起きたショッキングな出来事を機に日本で難民向けのホームステイ事業や、シェアハウス事業を展開しているWELgee(ウェルジー)。渡部はステージに上がると「みなさん、はじめまして」と元気に挨拶し、会場に語りかけるように話し始めた。

渡部:日本にはシリアやアフガニスタンなど、テロが起こっている国から命と希望をつなぐために逃れてきている若者たちがたくさんいます。20~30代の彼らは、起業家だったりプログラマーだったり、医者だったり弁護士だったり...…とにかく夢を目指し頑張っていました。母国の情勢から夢を叶えられなかった彼らはいま、未来をつなぐため日本に仕事をしにきています。わたしはそういった彼らの仕事をつくる活動をしています。

──難民は世界共通の課題だと思いますが、渡部さんを奮い立たせるものってなんでしょう。

渡部:もう少しでいろんな蓋が開きそうで、花開きそうなのに、それが外部的な要因によって阻まれてしまっている。そんな彼らが、日本にある世界的な企業に関わる皆さんや地域の人たちと繋がることで、ものすごいポテンシャルを発揮し、いずれ祖国に帰ったらチェンジメイカーになるという、その兆しが見えた時にすごくワクワクしますし、面白いなと思います。



──渡部さんがやってらっしゃることは「拒絶」ではなくて受け入れて、可能性を見出していくということ。つまり、未来をつくることをなさっている。

渡部:そうですね。今、私たちがご飯を食べている時も、品川にある東京入国管理局で100人以上の収容者がハンガーストライキをしているんですね。難民一人一人が、「一人」という数ではなくて顔に見えて、この「人間」というのにもっと寄り添えるようになった時に、潰してはいけないポテンシャルが日本にもあると思っています。そこは、ひとつモチベーションになるし、彼らと一緒に次の未来をつくりたいなと思って過ごしています。

──未来のタネを発掘しているということですね。ありがとうございました。

日本は捨てたもんじゃない



Forbes JAPAN 編集部 編集長代理の藤吉雅春がモニターに映されたこれまでの表紙を眺めてこう言った。

「誌面になったものを読み返しますと、日本は捨てたもんじゃないなと思います。知られざる日本の熱量を測るバロメーターがForbes JAPANなのではないかと思っています。皆さん、もっと日本の熱量を高めていきましょう」

2014年6月25日に創刊した「Forbes JAPAN」。代表取締役CEOの高野真は、出版経験ゼロから事業をスタートさせた。パーティでのスピーチでは、当初は徹夜で雑誌を作り、校閲もこなすも、経営が上手くいかなかった時期もあったと明かした。高野が創刊当時から現在を「非常に苦しい5年間でした。しかしそのおかげで今があります」と言うと、会場のモニターに数字が映し出された。

「61」「3908」「100」「129」

「61」は発刊した雑誌の数、「3908」は雑誌に出演した人数、「100」は表紙を飾った人数、「129」は開催したイベントの数だ。

6年目に突入した8月1日、高野からメンズファッション&ライフスタイル誌「OCEANS」がリンクタイズのメディアグループに新たに加わることを発表。リンクタイズもとい、Forbes JAPANはこれからも日本を支える皆さんをサポートし、新たな挑戦を続ける。

文=須貝直子 写真=小田駿一

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