ビジネス

2019.08.10

日本が観光超大国になるために 「フレンドリー」をもう一歩先へ

エクスペディアグループ日本法人代表取締役 マイケル・ダイクス(左)、東京レインボープライドの共同代表理事 杉山文野(右)


幅広い世代のLGBTの「生きづらさ」の改善をサポートしたい

杉山:最後に、マイケルさんの今後の課題を教えてください。

ダイクス:エクスペディアに来てそろそろ4年になりますが、訪日外国人旅行客の増加に少なからず貢献できるくらいまで会社が成長しました。ビジネスのチャレンジももちろんありますが、次世代を育てることに集中したいです。

また経営者としてだけでなく、個人としても、LGBTの次の世代を支えていきたいです。LGBTの若者は両親にも友達にも打ち明けられず、キャリアについても誰に相談していいのかがわかりません。そういった若者の相談に乗る機会が増えてきたことに、ものすごくやりがいを感じています。「親代わり」とでも言うのでしょうか。

杉山:僕自身の過去を振り返ってみても、自分の個性を全面に出して生きる選択肢がないと思い込んでしまいがちなLGBTの若い世代もまだまだには多い。だから、キャリアの面でアドバイスを得られることは本当にありがたいことだと思います。

ダイクス:若い世代だけでなく、今は公的なサポートの仕組みがない、私が経験したようなLGBTのカップルの死別についても支援をしていければと考えています。私にはもう失うものも怖いものがないからこそ、ありのままでリーダーとしてさらに邁進していきたいです。

杉山:日本にはLGBTの人が「自分もあの人のようになりたい」と思えるロールモデルがほぼいないという課題がありますが、マイケルさんはロールモデルになれますね。

僕のような世代はもちろん、若い世代の人にもマイケルさんのことをもっと知ってほしい。今日は本当にありがとうございました。

構成=岡田浩之 写真=藤井さおり

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