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昨今、チケットの不正転売がスポーツ界やエンターテイメント業界を揺るがしている。そこで、注目を集めるのがチケットのデジタル化。しかしながら、未だに紙のチケットが主流なのが日本の現状だ。「欧米でも言われているほどデジタル化が進んでいるわけではない。ただ、日本の現状は欧米より遥かに遅れている」と指摘するのはplayground代表取締役の伊藤圭史だ。

同社は、LINE等のSNSで発券できる電子チケットをAPI接続だけで導入できる電子チケットの発券システム「Quick Ticket by MOALA 」、同システムを起点とするコネクテッドスタジアムプラットフォーム「MOALA」などのサービスを展開している。「Quick Ticket」はチケットのデジタル化で不正転売を抑止するだけでなく、LINEでの発券を選択することでLINEにチケットが届き、LINEでイベント中や前後にも客とコミュニケーションを取ることも可能なシステムだ。



電子チケットはあくまで「入り口」

伊藤はスポーツ観戦やライブ観戦が好きで度々会場に足を運んでいた。しかし同時に課題も感じていたという。そこでまず手をつけたのが電子チケットだ。電子チケットを手始めにしたのには理由がある。伊藤は、エンターテイメント業界のスマートフォンアプリを手掛けていた経験から、コストがかかる割には、ユーザーがアプリをインストールするには高いハードルがあることを熟知していた。しかし、LINEなどで発券することで、コストをかけずにお客さんとつながることができる。マーケティングの改革や、スタジアム体験を向上させるには、まずお客さんとつながる必要がある。

電子チケットを活用した事例では西武ライオンズの「遅割チケット」がある。今年7月から平日19時以降に限り、チケットが半額になる「遅割チケット」を同社の「Quick Ticket」を活用し販売。「Quick Ticket」の入場時間制限機能を利用し、球場に向かう途中でもスマートフォンでチケットを購入できるようにした。

「平日、会社帰りに野球観戦に行こうと思っても、試合開始にはなかなか間に合いません。平日、19時以降に入場できるチケットを半額にするという試みはいくつかの球団が試みていました。しかし、もぎりの係が通常のチケットと見誤り、19時以前に入場させてしまったり、販売自体を19時以降にしても30分ほど前からチケット売り場に大量のお客さんが並び混乱してしまう。19時以降にしか入場できない電子チケットにすれば、もぎりの係のミスも起こらないし、並ぶ必要もありません」
(伊藤)

文=本多カツヒロ、人物写真=小田駿一

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