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ビットコインの価格は今年、再び上昇に転じたが、背景にはフェイスブックやツイッターなどのテック業界大手が、仮想通貨に対する前向きな姿勢を示したことがあげられる。仮想通貨市場は2018年に大幅な下落に襲われたが、ビットコインの価格は年初の4000ドル以下から数カ月で1万ドルを超える水準に急騰した。

そんな中、独自のクレジットカードである「アップルカード(Apple Card)」を間もなく立ち上げるアップルは、このカードによるビットコインや仮想通貨の購入を禁止する構えだ。

アップルによると同社のクレジットカードはゴールドマン・サックスとの提携により発行されるが、ビットコインや仮想通貨の購入は規約で禁止されるという。さらに、トラベラーズチェックや宝くじ、カジノのゲームチップなどの現金同等物の購入も禁止となる。

アップルは同社のクレジットカードの発行を今年に入りアナウンスしたが、一部からは「イノベーションに欠ける試みだ」という批判も浴びた。フェイスブックが独自の仮想通貨、リブラを来年発行するという野心的プランを明かしたのとは対照的に、アップルの仮想通貨に対するアプローチはかなり保守的だ。

アップルは先日の四半期決算発表で、今年4月〜6月期のiPhoneの売上が12%減となったことを発表した。同社の主要な収入源であるiPhoneの売上減少は重大な問題だ。アマゾンやマイクロソフトとの競争に直面するアップルは、2018年の初めから仮想通貨の採掘を行うアプリのアップストアでの配布を禁じてきた。

仮想通貨の価格はテック大手が前向きな姿勢を示す中で上昇した。しかし、フェイスブックのリブラに、各国の政府が懸念を示したことで、再び壁にぶちあたった格好だ。さらに、アップルが仮想通貨から距離を置く姿勢を示したことでも、懸念が広がっている。

一方で、ゴールドマン・サックスの新CEOに昨年10月、仮想通貨に前向きなスタンスをとるデービッド・ソロモンが就任して以降、同社は仮想通貨関連事業への意欲を示している。ソロモンは資産のトークン化や、ステーブルコインの導入に関心を抱いている。

ただし、アップルがビットコインや仮想通貨の購入禁止を打ち出すことは、金融業界の動向から考えて不自然なことではない。JPモルガンやシティバンクも、価格変動が激しいことから顧客が大きな負債を抱えることを懸念し、クレジットカードを用いた仮想通貨の購入を禁止する措置をとっている。

編集=上田裕資

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