Recogniのテクノロジーは自動運転車の電力エネルギー消費を抑えつつ、高度なAIの利用を可能にする。自動運転車は巨大なコンピュータパワーが必要なため、既存の乗用車を上回る電力エネルギーが必要で、バッテリー消費量の多さが一つの課題となっている。
カリフォルニア州サンノゼ本拠のRecogniは、2017年の創業以来、低パワーで高パフォーマンスを実現する自動運転向けAI開発に特化し、事業を展開してきた。
Recogniはカメラが取得するデータを基に、推論システムを構築し、車両の周囲のイメージ処理を行うテクノロジーを提供する。カメラベースの自動運転システムは真新しいものではないが、同社の共同創業者のAshwini Choudharyによると、Recogniのシステムは競合と比べてごくわずかな電力エネルギーで運用可能という。
「この分野の競合の多くはパフォーマンスの向上のみに注力しており、エネルギー消費の低減化は意識していない。Recogniはこのポイントで差別化を果たそうとしている」と、グレートポイントベンチャーズの担当者は述べた。
Recogniは現在、レベル2の自動運転車向けのテクノロジーに注力しているが、今後はレベル3や4にも対象を拡大していく。同社によると、ロボットタクシーが安全面だけでなく、経済合理性的にも実用段階に達するのは2024年以降のことになるという。さらに、個人向けの完全な自動運転車の普及が始まるのは、その数年後になるという。
同社は新たな資金を用い、エンジニアリングチームを増強し、テクノロジーの完成度に磨きをかけていく。