テクノロジー

2019.08.06 19:00

「AIナショナリズム」は人間のためにならない 米ジャーナリストに聞く


──欧州の研究者も提案していますが、あなたは欧州原子核研究機構(CERN)のAI版創設を支持していますね。

そうだ。企業に任せるのではなく、データを一元管理し、正しい目的のみに使う独立系の国際データ管理機関を創設すべきだ。スイスにあるCERNは、素粒子物理学研究の協働機関であり、多くの国が加盟している。AI開発の解決策としてCERNのAI版創設を唱える声は、日ましに大きくなっている。

「デジタルライセンス」の構築も提案したい。従来の企業が、事業を展開する国の法に従わねばならないように、プラットフォーム企業にも、サーバーを置いている国だけでなく、各国の規制順守と営業免許を義務づける制度だ。

正しいやり方でAIを開発すれば、21世紀の課題に挑み、大変革を起こすようなゲームチェンジャーになりうる。


スティーブン・ヒル◎サンフランシスコ在住ジャーナリスト、講演家。専門は政治、グローバル経済、デジタル・エコノミーなど。著書に『Raw Deal』や『10 Steps to Repair American Democracy(米国の民主主義をよみがえらせるための10の方策)』など。

インタビュー=肥田美佐子 イラストレーション=ティム・ボエラース

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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