起業家たちの「頭の中」

GROOVE Xの林要

人々の潜在能力を向上させ、癒しを与える新世代の家庭用ロボットを開発するGROOVE X。2015年の設立以降、多額の資金調達にも成功している今注目のスタートアップ企業だ。同社のCEOであり、ソフトバンクの孫正義氏の誘いに応じて「Pepper」のプロジェクトにも携わった林要氏に、起業家としての心得やチームマネジメントの極意についてドリームインキュベータの小縣拓馬が聞いた。(全6話)

卓越したアイデアは非常識の中から生まれる

──起業家にとって大事な3つの素養を挙げるとすれば何でしょうか?

色んな視点があると思うんですが、僕が思うのは「非常識な真実を発見できること」「ストーリーの力」「実行力」ですね。中でも、一番大事なのは「非常識な真実を発見できること」です。



──「非常識な真実」というと?

「非常識」とは「人のバイアスからリリースされていること」と言い換えることもできます。人間というのは、物事を見る時に自分の常識で判断しますよね。常識は物事を効率的に判断するのにはとても役立つんですが、それゆえに常識を通したからといって、物事を俯瞰してフラットに見れている訳じゃないんです。その証拠に、全員が真っ先に考えつくような常識的なアイデアに魅力が無いことは、皆さんご存知だと思います。

一方で、非常識なだけではダメで、バイアスからリリースされていながらも「真実」であることが重要です。真実に即していなければ、実行に移すことはできません。「非常識なファンタジー」はNGということです。非常識なファンタジーも常識的な真実もダメ。「非常識な真実、現実」をとらえにいかなくてはならないんです。

「非常識な真実」をとらえると、ビジネスにおいて卓越したアイデアになります。「卓越した」というのは、つまるところ「非常識な真実に基づいている」ということなんですね。

私がトヨタにいた頃にFormula 1(F1)というレースカーの開発に従事し始めた時も、いろいろとアイデアを考えてみてました。しかし世界中の優秀なトップエンジニアによって、すべて残らず試されていたんです。

その中でどうやって成果を出そうかと考えた時に、自分が真っ先に考えつくアイデアはことごとく没にすることにしました。で、逆に「皆の考えないところはどこなんだ?」と頭を捻る。

非常識なアイデアの99%は「ファンタジー」なのでダメなんですが、残り1%の「真実」を見つけることに注力すると、意外にそこはブルーオーシャンだったりするんです。


文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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