再生可能エネルギー業界の雇用者数、世界で1100万人に

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再生可能エネルギー産業で働く人の数が2018年、直接雇用と間接雇用を併せて世界全体で1100万人となり、前年の1030万人から増加したことが、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が公表した最新データから明らかになった。

雇用者数を部門別に見ると、太陽光発電が360万人、液体バイオ燃料が320万人、風力発電が120万人だ。残りは、集光型太陽熱発電やバイオガスなど複数の部門に分散されている。再生可能エネルギー分野は、地理的な多様化がますます進んでいるとはいえ、雇用のほとんどはごく一部の国に集中している。

再生可能エネルギー産業で働く人の数が群を抜いて多いのが中国で、2018年の雇用者数は410万人だった。これは、世界全体の39%だ。驚きの数字だが、中国では同産業の雇用者数が2017年から減少した。原因は、太陽光発電業界の雇用者数が減ったことで、その背景には、補助金の停止と国内販売の低下がある。

再生可能エネルギー産業の雇用者数で、中国に大きく水をあけられたものの、2位に入ったのがブラジルだ。バイオ燃料分野の雇用者数では世界一を維持し、2018年の雇用者数は83万2000人。再生可能エネルギー産業全体では約110万人だった。ブラジルは風力発電と太陽光関連の取り組みに力を入れ続けており、雇用者数はさらに増えると見られている。

アメリカでは、トランプ政権が石炭産業を重視した方針を取っているが、再生可能エネルギー産業の雇用者数は上向いている。2017年はおよそ78万6000人だったが、2018年には85万5000人に増加した。内訳は、バイオ燃料分野が31万1000人、太陽光が24万2000人、風力が11万4000人だった。

しかし、アメリカの関税政策、ならびにカリフォルニア州とマサチューセッツ州の州レベルにおける制度変更の不透明さが、再生可能エネルギー分野の一部に影響を及ぼしている。太陽光分野では、2年連続で雇用者数が減少した。

他国に目を向けると、インドが大躍進を遂げている。再生可能エネルギー産業の総雇用者数は、2017年の43万2000人から、2018年に71万9000に急増した。

再生可能エネルギー産業の雇用者数(2018年、対象国)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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