ピンタレストの2019年4~6月期の売上は、前年同期比62%増の2億6100万ドルに達し、市場予測(2億3500万ドル)を上回った。同社は2019年の売上高見通しの上方修正を行い、従来予想の10億5500万~10億8000万ドルから10億9500万~11億1500万ドル(約1190億円)に引き上げた。
ピンタレストは今年、創業以来で初めて年間10億ドル以上の売上を生み出すことになりそうだ。ただし、今期の最終損益は11億5950万ドルの赤字で、前年同期の損失3840万ドルから大きく膨らんだ。これはIPOに絡んだ費用がかさんだためだ。ただし、IPO関連を含む特別項目を除外した、損失額は0.06ドルで市場予想の0.08ドルより小さかった。
また、月間アクティブユーザー数も前年同期比30%増の3億人に達した。特に米国外でのユーザー数の伸びが好調で、海外ユーザー数は前年同期比38%増の2億1500万人に到達。米国の利用者数は8500万人だった。
サンフランシスコ本拠のピンタレストは今年に入り、検索レコメンド機能のアップデートや、動画コンテンツの拡充、Eコマース機能の整備等の改善を進めている。AI(人工知能)を活用したEコマース売上の拡大を図るなかで、今も主要な収入源は広告ではあるが、着実な実績を残しつつある。
ピンタレストCEOのベン・シルバーマン(Ben Silbermann)は投資家向けの声明で、中小企業向けの広告ツールを増強し、モバイルにも注力すると宣言した。この試みでフェイスブックやツイッターに対抗していくと述べた。
さらに、動画広告への注力も進めていく。ピンタレストを利用する企業らに動画広告は好評で、チュートリアル動画やエクササイズ、料理レシピ、DIY系のコンテンツが特に人気という。Silbermann によると、今年の第2四半期の動画の視聴数は、昨年の通年の再生回数を突破したという。
ピンタレストはプライバシー重視の方針も打ち出しており、利用者は設定からプライベートモードを選択可能になっている。同社はショッピング機能を刷新し、類似プロダクトの検索も以前より容易になっている。