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2019.08.26 18:00

「時代のターニングポイントを作る」倉富佑也が志す社会変革

世界を変える30歳未満の30人を、「アート」「エンターテインメント&スポーツ」「ビジネスアントレプレナー」など10のジャンルから選出する「30 UNDER 30 JAPAN」。Forbes JAPANと、若手ビジネスパーソン向けWEBマガジン「EL BORDE」による「EL BORDE特別賞」が、ビジネスシーンでのさらなる活躍が期待される3名に贈られた。
 
「EL BORDE特別賞」の受賞者に共通するテーマは「挑戦する人」。ココン代表取締役社長の倉富佑也は、挑戦的なM&Aを重ね、サイバーセキュリティ系企業などのグループを率いる。


「特別賞に選出いただき光栄です。この賞に恥じぬよう、事業成長や事業を通した社会貢献に取り組んでいきたいと思います」と、倉富は今回の受賞の喜びを語った。

ココンは、日本のゲーム会社と中国のイラストレーターをつなぐクラウドソーシングサービス「Panda Graphics(パンダ グラフィックス)」として2013年に創業した。現在はサイバーセキュリティ事業をはじめ、暗号技術やAIなどのテクノロジーを用いて社会実装を目指している。

倉富がサイバーセキュリティに注目したきっかけはゲームだった。2015年当初はゲームコンテンツのクラウドソーシング事業に参入したが、取引先のゲーム会社がゲームユーザーの不正行為、いわゆる「チート」対策に課題を持っていたため、事業を横展開するようなかたちでサイバーセキュリティのマーケットに参入したという。

「グローバルマーケットにおいて、当時から日本発のセキュリティ企業の存在感はあまりないと感じていました。サイバーセキュリティは将来のインターネット社会を支えるインフラとしての側面が強いので、この領域で腰を据えて1つのマーケットとして向き合うことに意義があると感じました」

日本のサイバーセキュリティに変化をもたらし、世界で通用するようなセキュリティカンパニーを作らねば、との決意から、倉富は参入を決意した。当時22歳だった。


 アジアで起業家としてスタート。人生最大の挫折を経験

倉富が起業家としての道を歩み始めたのは、日本でもシリコンバレーでもなく、中国だった。高校に入学する15歳ごろ、すでに起業家になることが自分の中で決まっていたという。「創りたい未来を作るために、有効なアプローチと思えたのが起業家になることだった」と、倉富は振り返る。

そして18歳、大学1年生のときに大学を休学し中国に移住する。一度日本から出て海外の商習慣や文化を身につけた方が展開のスケール感を大きくできると考えたのだ。そして倉富は英語圏か中華圏かで迷った末、キャリアのスタートを中国にしようと決意した。

「アジアのトレンドをいち早く捉えるために、中国でビジネスをするのが良いと考えました。中国の特殊なマーケット事情を学べましたし、現地に知り合いもできた。中国、アジアのビジネスに対する理解が強まっていきましたね」

倉富は中国で大きな刺激を受ける一方で、人生最大の挫折を経験する。中国に渡って1年後、19歳の時に大学の先輩から資金提供を受けベーグル店をオープンする。

「もともとITの領域で仕事をすることは自分の中で決めていたのですが、まずはお客様と深いコミュニケーションがとれ、何もないところから事業を起こす経験ができる業界にと考えて飲食業に。自分が好きなベーグルの店を始めることにしました」

日本の有名ベーグル店から技術協力や商品開発のサポートなど、さまざまな支援を受けて上海に出店したものの、立地、商品開発、プロモーション、人員の構成、調達する金額などあらゆる面で見込み違いがあったと倉富は認める。

「そもそも中国の人たちは、当時そんなにベーグルを食べなかった。マーケットがないところに進出してしまった」

もちろん、オープン前に市場調査や試食などはおこなっていたが、希望的観測でしか物事を考えていなかったため、失敗することは想定していなかった。ポジティブに、なんとかなるだろうと店を続けようとするも、売り上げという数字は嘘をつかない。このままでは投資金額の回収は難しいと判断し撤退。その期間はわずか3カ月だった。

倉富はこの失敗から、希望的な観測で何かを始めると、その後にどれだけ大変な目に遭うのかを思い知る。そして、自分に関わった人たちの貴重な時間や経験を奪い、迷惑をかけてしまうことの重さを嫌というほど味わった。「なんとかなる」で、ビジネスをスタートさせてはいけないと痛感したのだ。

しかし、単なる失敗で中国での挑戦を終わらせはしなかった。ベーグルショップを閉店させた後、倉富は日本で受注し上海で制作をする、クラウドソーシングビジネスを始め、その経験の中で新しい事業を思い立つ。

「これからは外部の人的リソースを活用したサービスが、言葉や人種、組織の壁を超えて普及する。そこで、市場が急速に拡大している、ソーシャルゲーム向けのグラフィックスを、クラウドソーシングによって作るビジネスモデルを立ち上げるべきだと決意しました」

2013年、日本に帰国し、Panda Graphicsを創業した。

ココンを成長させた、イエラエセキュリティとの出会い

サイバーセキュリティ事業参入にあたって重要だったのは、システムやアプリケーションなどの脆弱性を見つけ出せる高度な技術者(ホワイトハッカー)。脆弱性があると悪意のあるクラッカーに利用されれば、不正アクセスや改ざん、情報の流出などの恐れがある。そうしたサイバー攻撃から身を守るためには未知の脆弱性を発見できるホワイトハッカーの存在が欠かせない。

2015年にサイバーセキュリティ事業に進出することを決定し、「イエラエセキュリティ」をグループ会社に迎えた。

イエラエセキュリティは、毎年ラスベガスで開催される、世界最高峰のハッキングコンテスト「DEFCON CTF」にて好成績を残した、ホワイトハッカーチームのメンバーが中心となり2011年に創業した日本の会社だ。高精度の診断技術を有するホワイトハッカーの能力を武器に、さらなる事業の拡大へと向かっていくことになる。

「ハッカーの人たちにリーチするのは難しい。ハッカーコミュニティにリーチしている会社にグループ入りしてもらう形で、セキュリティのマーケットに参入することが可能になる。我々がハッカー集団に直接リーチしたのではなく、イエラエセキュリティ代表の牧田さんが、われわれと一緒にやることを選んでくれました」


積極的にM&Aを仕掛けるその先に見えるものとは

現在、ココンは「イエラエセキュリティ」をはじめ、暗号技術やインターネット領域における最先端技術を用いた課題解決を行う「レピダム」、AIのアルゴリズム開発と人材育成を手がける「AI TOKYO LAB」などグループ会社9社を束ねている。

2018年9月にブランディングデザインの会社のM&Aを行い、テクノロジーとデザインの力で「応用研究技術の社会実装」を目指している。倉富のポリシーである「事業を通じて社会貢献をしていきたい」という信念は創業時から変わらない。

倉富はM&Aを行う際、ココンが今後目指す方向や現在の状況など包み隠さずに話す姿勢を心がけている。正直に、真摯に向き合うことで、相手と最初から信頼関係が築け、不測の事態が起きにくく、いいコミュニケーションが取れるという。

グループ入りした会社の、創業社長の多くが引き続きココングループとして働いているのも、信頼関係が築けている結果といえるだろう。

「グループ会社が増えたことで、今までよりも大きなスケールでビジネスに取り組むことができています」

第三者から見れば強気なM&Aに見える。しかし、倉富はあくまでも謙虚な姿勢だ。

「これまで8社の創業社長とご縁があり、ココングループに参画いただいています。創業社長の皆さんに、自分が作ってきた大切な会社をココングループに参画させるという大きな意思決定をしていただいて、こうして一緒に仕事ができているのは本当に幸せなことだと思っています」

最後に、将来の展望、夢を聞いてみた。

「我々のミッションは『古今東西愛されるサービスで時代のターニングポイントを作る』ですので、時代の転換点となるようなサービスやプロダクトを連続的に生み出していけるような企業グループにしていきたいです」

そのキーとなるのは、社内にあるカッティングエッジ(最先端)な技術群だ。

「ココングループでは研究開発投資を積極的に行っています。例えば、日本最大級の公的研究機関である国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)との高機能暗号を用いた共同研究や、AIの技術を活用した需要予測および最適化、セキュリティ診断のオートメーション化などに取り組んでいます。今後、それらを社会実装させていけたら、より便利で豊かな社会にできるのではないかと思っています」

今後はココン発の最先端テクノロジーに関するニュースがいくつも発表されることになるだろう。

ココンは、M&Aを一つの経営戦略として経営基盤の強化や事業領域の拡大をさせてきた。今後はココングループを、マーケットの中で新しい付加価値を連続的に作っていく生態系にしていきたい。そのための第一歩として、「今後2〜3年で、グローバルも視野にいれた大きな勝負を仕掛けていくつもりです」と倉富は意気込む。
 
「僕の役割は、ココングループで一緒に働く仲間に『ここで働けてよかった』と思ってもらえるように会社を育てていくことです。そして、一緒に働く仲間や応援してくださっている様々な方々に、ココンがこれから描く未来を通してお返ししていきたいと考えています」


倉富佑也(くらとみ ゆうや)

1992年生まれ。2013年にココンを創業、代表取締役に就任。現在、グループ会社9社、人工知能・サイバーセキュリティ・暗号に関する応用研究やコンサルティング、ソフトウェア開発を通した社会実装、クラウドソーシングプラットフォームの運営、事業持株会社など多岐にわたる事業に携わっている。


【共通質問】
 
・自分を色に例えるなら?

 オレンジ色です。周りからよく、明るくエネルギッシュと言われ、自分でもポジティブで活動的だと思っています。そのイメージがあるオレンジ色を選びました。

・自分を一言で表すとしたら?

 「ポジティブ」です。課題に対して前向きな気持ちで取り組んでいます。

・あこがれのOver30は? 

ソフトバンクの孫正義さん。今、ソフトバンクが開校している、後継者発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」に参加していますが、直接お話を伺うことがあり、スケール感や、時代に適応していく姿に感化されました。

・自分が人より秀でた才能があると感じること。逆に苦手なことは?

 自分が特別に優れているということはありません。ただ、多様性への許容度は広いかもしれません。苦手なことは単調な作業ですね。単純な作業を繰り返すのは苦手意識があります。

・人生最大の挫折は?

やはり中国でのベーグル店での失敗ですね。ある意味挫折からのスタートでしたので、いい経験になりました。その後も新規事業で失敗したりとか、キャッシュフローがギリギリになったり、様々な苦難に直面しました。ただ、最初に大きな失敗をしたことは、貴重な体験になったと思っています。
 
・40歳の時に自分は何をしていると思う?

今年27歳になりますが、おそらく20〜30代ぐらいは、苦難の道を突き進んでいくのではないかと思います。会社の規模拡大や事業展開を加速させることを最優先にしたいと考えているので、結果的にそれが正しい道になると思っています。その上でどんな40代になりたいかというと、地を這いつくばりながら、様々な経験をたくさん積んだ状態で40歳を迎えたいと思っています。

・仕事以外の時間の使い方は?

まとまった休暇が取れた時に釣りに行っています。今年のゴールデンウィークには経営者の先輩方と沖縄でカジキマグロを釣りました。

・同世代のビジネスパーソンに向けて一言

今、テクノロジーの領域を中心として大きな変化が起きてきている時代です。その大変革を味わえる世代が、おそらく20〜30代なのではないかと思っています。ぜひ一緒に、最先端のテクノロジーを活用しながら、時代の大変革を起こしていきましょう! 


EL BORDE」とは

日本のミライを創造する若きビジネスパーソンのために、 仕事やプライベートに役立つ知識や情報を発信する野村證券のオウンドメディアです。 野村證券は「EL BORDE」を通して、若者たちの「変革と挑戦」を応援していきます。

Promoted by EL BORDE 文=石澤理香子、写真=鈴木久美子

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