「自動運転は怖い」と考える消費者は71%、米調査で判明

自動運転のシャトルバス(SariMe / shutterstock.com)

自動車業界が新たなテクノロジーの導入に意欲を示す一方で、一般消費者が自動運転車やEV(電気自動車)を求める意欲はさほど高まっていないことが明らかになった。

調査企業J.D. Powerとサーベイモンキーらは、消費者のEVや自動運転車に対する信頼度を調査した。その結果、消費者の自動運転に対する信頼度はまだ低く、EVに対する信頼度も中レベルであることが判明した。

J.D. Powerは今年が初となるモビリティ関連のインデックス「2019 Mobility Confidence Index Study」を発表した。同社は今後、四半期ごとにこの指標を発表し、一般消費者の自動運転やEVに対する信頼度の変遷を追っていく予定だ。

今回は5000人以上の人々を対象に調査を実施したという。モビリティ分野の専門家らが、今後の数年で自動運転が現実のものになると主張する一方、平均的な消費者は10年以上先のことと考えている。さらに、回答者の71%が自動運転の誤作動を懸念していた。

EVに関しては、コストの高さを理由に敬遠する人が多かった。バッテリーの充電設備のインフラが未整備であることや、充電時間の長さに懸念を抱く人も多い。回答者の4分の3近くが、1回の充電に30分以上待たされたくないと回答した。

ただし、考えようによっては今回の結果は前向きに解釈できる。EVと自動運転に対する信頼度は、100点満点でそれぞれ55点と36点だった。ただし、EVが一般向けに普及してから10年以上が過ぎたのに対し、自動運転が話題にのぼるようになったのは数年前のことだ。

特に自動運転は多くの人にとって未知のテクノロジーだ。今回の調査で、全体の66%の人々は「自動運転に関して、ほとんど何も知らない」と回答した。

一方、EVに関しては全体の61%が「環境に優しい乗り物だ」と回答した。新たなテクノロジーに関する理解が広まり、自身で体験する人々が増えるにつれ、そこから得られるメリットについての認識も変化していくはずだ。

編集=上田裕資

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