観光客でごった返す欧州の都市5選 代わりに旅すべき近郊都市は?

ベネチア、サン・マルコ広場の観光客(Photo by Awakening/Getty Images)


スペイン・バルセロナ

独特の建築や長い砂浜を持つバルセロナは欧州でも特にユニークな都市の一つで、手に余る成功を収めることとなった。地元住民からは、同市がアイデンティティーを失いテーマパーク化しているとの苦情が寄せられている。目抜き通りのランブラス通りにある有名なボケリア市場はかつて、地元住民に肉や野菜を売っていたが、徐々にその姿を変え、今ではジュースや食べ歩きメニューを観光客に売るようになった。

だが、カタルーニャ文化は、海岸沿いの他の街でまだ活気を保っている。スタイリッシュな浜辺のリゾート地であるシッチェスは、週末には混み合うものの、海外からの観光客だけでなく、バルセロナ市内の観光客を逃れてくる住民も多い。文化好きな人はさらに南に行けば、タラゴナの古代遺跡に満足できるはずだ。海沿いに立つ2世紀の円形劇場、丘の上に立つ12世紀の大聖堂、ネクロポリスに残るローマ時代の墓、城壁に囲まれた旧市街の路地など、バルセロナの中世史跡の代わりとして楽しむにはぴったりの名所がある。

チェコ共和国・プラハ

プラハの観光客の多さは今に始まった事ではない。同市はこれまで、欧州でも特に安く楽しめる週末の旅先として知られてきたが、物価が上がった現在でも観光客は後を絶たない。

プラハの代わりに、東部のオロモウツを訪れてはどうだろう? 同市はバロック様式の建築や噴水によりチェコ全土で知られているが、海外ではほぼ耳にすることがない街だ。

オランダ・アムステルダム

絵画のように美しい運河や美術館、ギャラリーがあり、麻薬と売春に寛容な街として有名なアムステルダムはこのところ、かつてない人気を集めている。しかし観光客の数が今後10年間で1900万人から2900万人まで増えると予測される中、市当局は大胆な措置に打って出た。同市観光局は現在、焦点を観光の推進から管理へと切り替え、観光客にアムステルダム以外の場所に向かうことを積極的に奨励している。

アムステルダムの代わりに、オランダのバーミンガムと言われるロッテルダムに行ってはどうだろう? 英イングランド第2の都市であるバーミンガムと同様、ロッテルダムも汚れた工業都市としてのイメージの払拭に苦しんだが、同市を訪れた人はその魅力に驚くだろう。トレンディーなPannekoekstraat地区の歩道沿いにあるカフェや、屋内マーケット「Markthal」の現代建築など、見所はたくさんある。

編集=遠藤宗生

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