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2019.08.04

マツダが考える格好良いジャストサイズSUV「CX-30」に乗ってみた

マツダ「CX-30」


ドイツの一般道とアウトバーンで試乗したバージョンは、ガソリンと6速A/T、そしてディーゼルと6速M/Tだった。どっちも前輪駆動だったが、4WD仕様も用意されれば客層が広がるだろう。

手短にいうと、マツダのマニュアル・トランスミッションのシフト・フィーリングは、カチッと入るし、業界の中でもトップクラスだ。それに対して、昔からのトルコン6A/Tはエンジンとのマッチングが良いものの、他のライバル車は、ダブルクラッチ8速A/Tを採用する時代になっているので、マツダの6速A/Tは少し時代遅れでアップグレードする必要があると思う。

僕が試した欧州仕様のガソリン2リッターと「M HYBRID(Mハイブリッド)」と呼ばれる24V電装系との組み合わせは、122psを発生するが、全体的にパンチがなく、6M/T車ではギアを2速ほどのシフトダウンが必要だと感じた。

スカイアクティブDのディーゼルは116psを発揮する。決して爆発的に速くはないけど、加速性は十分だと言える。どちらも燃費は20km/L弱なので、燃費戦争では優秀だろう。

年末に導入される予定の「スカイアクティブX」の最大メリットは、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのそれぞれの一番おいしい特徴を両立させているということ。つまり、ディーゼルの燃費の良さと、そしてガソリン・エンジンの高回転でのレスポンスという長所を上手く混合しているわけだ。



マツダ3をベースにしているので、当然ステアリングやコーナリング性能は文句なし。ステアリングは相変わらずピンポイントに決まるし、重さも手応えもちょうど良い。

3より車高も重心も高いので、コーナーでのロールは大きいかと思いきや、コーナーを攻めてもほとんどロールしないし、乗り心地はクラスでも一流。マツダの前輪駆動車はアンダーステアが出ないところを褒めたい。しかし、4WDバージョンはそれよりも安定した走りを見せると思う。

マツダは内装のデザインや質感にもかなり力を入れている。

シートは、車のシートだと忘れてしまうほど、座り心地やサポート性が良い。今回のシートは、マツダが凝りに凝って作った骨盤をちゃんと支えて姿勢が良くなるシステムで、的確にデザインされている。だから長時間乗っても疲れない。



インパネのデザインは高級感があって間違いなくクラストップだろう。また、このサイズの中で、キャビンには大人4人が快適に過ごせるだけの空間が用意されており、後部席からの乗り降りは楽だし、エルボー、レッグ、ヘッドルームは十分だった。

CX-30のスタイリッシュな外観や上質な室内、爽快な走り、または前輪駆動や4WDのチョイス、6A/Tや6M/Tの選択、ガソリンかディーゼルのチョイスという幅広いラインアップは多くのヤングファミリーや独身、またはシニアを引きつける力があるのではないだろうか。

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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