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中国のファーウェイは7月30日、今年上半期の決算発表を行い、売上高は前年同期比23.2%増の約583億ドル(約6.4兆円)となった。米政府から強い圧力を受けたにもかかわらず、売上の伸び率は前年の15%を上回った。

スマートフォンの出荷台数は24%増の1億1800万台に達した。中国での販売が好調で、同社の国内シェアは40%に達した。さらに、他のアジア地域での販売も好調で、ファーウェイは今後もアジアでのプロモーションを強化する予定だ。

ただし、アジア地域で全てが順調という訳ではない。シンガポールで大幅なディスカウントを行ったファーウェイは、現地で強い非難を浴びている。同社は定価145ドルの端末、Y6 Proを7割以上も値引いた40ドルで販売した。この割引は7月26日から28日までの期間限定で、50歳以上のシンガポール国民が対象だった。

このキャンペーンは予想以上の注目を集め、用意した商品はあっという前に店から消えた。現地メディアによると、シンガポールのモールにはシニア層の集団が押しかけ、暴動寸前の騒ぎに発展。一部の店舗には武装した警官が急行し、混乱の鎮圧にあたったという。

その後、シンガポールの広告規制当局は顧客からの苦情を受け、ファーウェイに対する調査を開始した。現地の消費者団体の代表は「ファーウェイは消費者保護ガイドラインに違反し、消費者の信頼を裏切った」と非難する声明を発表した。

ファーウェイはこれに対し「今回の値引きは現地の中華系新聞で限定的に告知したのみであり、商品がなくなり次第終了すると明記していた」と反論した。

米国政府によるブラックリスト指定を受けて、ファーウェイはアジア地域でのプロモーションに注力を開始していた。シンガポール政府はファーウェイの通信機器導入の是非について、まだ正式な決定を下していない。しかし、シンガポールはアジアでの売上拡大を目指すファーウェイにとって非常に重要な拠点といえる。

今回のシンガポールでのプロモーションは大失敗に終わった。しかし、上半期の好調な決算を発表したばかりのファーウェイは、この失態をさほど重くは受け止めていないのかもしれない。

編集=上田裕資

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