国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

DS3クロスバック

僕は仕事柄、年間100台以上の試乗車に乗って、日本、ドイツ、フランス、イタリア、スエーデン、英国、米国など、各国のクルマのこだわりや個性を体験する。その中で、フランスのDSというブランドほど、ファッションとアート、建築を意識しているブランドはないと思う。

先日、東京のファッション聖地、代官山でとてもスタイリッシュなDS3クロスバックGrand Chic仕様に乗ってみた。シトロエンから独立したDSが開発したニューモデル第2弾。今回はその感想をお伝えしよう。



DS3クロスバックに乗ることは、まるでエルメスのお店に入って商品のアート性を楽しんだあと、近代建築の巨匠としてフランスで活躍したル・コルビュジエのミニ博物館に乗るかの感覚だ。DSブランドのDNAを引き継ぐマトリックスLEDビジョンのヘッドライトや、大型グリルは、高級腕時計のモチーフを取り入れたようなニュアンスが格好良い。

また高いベルトラインと、ドアの真ん中あたりからメタルをすくい取ったような造作、それにBピラー内のシャークフィンのアクセントはなんかはクルマを超え、道を走るアートのような感覚だ。どこからみても、女性の美意識をこよなくくすぐる部分が多い。

「ショールームにクルマを見に来られる女性が非常に多い」とDS広報が言うぐらいだから、女性のテイストを特に刺激しているのがわかる。

内装をみても、頷くしかない。素材や色の使い方、ダイアモンド型にレイアウトされたスイッチ類とエアコンの吹き出し口、またはシートのステッチのこだわりも感心する。



また、薄いゴールドとブランズの中間色のダッシュボードがシックで、ハイテックのディスプレーとフォーカル製オーディオは、ガジェット・オタクを満足させるだろう。ウィンカーの音もキュートで軽やかな気分になる。

現在、ポルシェ、メルセデスベンツ、BMW、アウディ、ジャガーなど多くのカーメーカーは、コンパクト・ラグジュアリーSUVを製造しているけど、DS3ほど微笑ましいSUVはない。

デザイン重視のDS3だからこそ、外観は思い切り目を楽しませてくれるけど、そのため多少使いづらい部分もある。例えば、後部席のドアと開口が狭い分、乗り降りが若干窮屈に感じる。また、後部席のヘッドルームは足りるものの、運転者が180cm以上だと、リアのレグルームは少しきつい時もある。

文=ピーター・ライオン

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