ビジネス

2019.08.01

「NEW STANDARD」となった僕らが考えるメディアと広告の現在地

NEW STANDARD 執行役員の平井孝昌(左)と代表取締役の久志尚太郎(右)


つまり、メディアは、ムーブメントをデータ化できるセカンドパーティーなプラットフォームにもなりえるということです。ムーブメントの源泉を発見できるということは、ブランドがプロモーションを行う以前の段階から人々のインサイトを理解できます。そして熱狂を起点にムーブメントを起こすという今までにないブランドコミュニケーションが実現できます。

今は、カスタマージャーニーを描くことが基本的なマーケティング・メソッドになっていますが、ムーブメントをそこに組み込むことは顧客のビジネスの成功に結びつけるメソッドになりえるなと思っています。

久志:僕らはユニクロのSPA(製造小売り)型モデルに近く、ユーザーや社会がどう動いているか、何を求めているかを常に把握しながら、ユーザーや顧客のニーズにマッチングさせたコンテンツや広告などを供給しています。ユーザーが気づいていない「本当に欲しいもの」や「あったらいいよね」というアイディア提供することが僕らの価値です。

ですので、僕らが広告を作る際に提示したトレンドやコンセプトが顧客のブランドの「次のコンセプト」になることもあります。僕らがそれに応えることができたのは、個人のスキルに依存しない、ツールやデータ、フレームワークを用いた、広告・メディア業界における「垂直統合モデル」を築けたからだと思っています。

そもそもメディア業界と広告業界は、同じバリューチェーンの中にいますが、製造業と小売業か全く異なるように、全く別の思考をしています。バリューチェーンを俯瞰した際に、非効率な構造をどのように自分たちなりにハックできるかを考えていった結果、今のビジネスモデルに辿りつきました。今回のCIのリブランディングと戦略的資本業務提携は、僕らが14年に創業してからずっと考えてきたことの1つの答えです。つまり、これがメディアの新しいビジネスモデルであり、進化の1つの形だと思っています。


NEW STANDARDでは今回、戦略的に自社でCIのリブランディングを行った。今後、Forbes JAPAN WEBサイトにて、「リブランディング全貌」に関する久志尚太郎氏の寄稿や、Takramディレクターの佐々木康裕氏と久志氏による「デザインと経営の実態」をテーマにしたトークリレーも公開予定。

構成=フォーブスジャパン編集部 写真=小田駿一

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