ロンドンで「民泊規制」強化、違法掲載で罰金1300万円を宣告

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英国の裁判所はセントラルロンドン地区の政府所有のアパートを、エアビーアンドビーで不正に貸し出していた人物に対し、罰金10万ポンド(約1300万円)以上の支払いを命じた。

英国政府は低所得者向けにソーシャルホームを格安の値段で提供しているが、利用にあたっては厳しいルールが設けられている。現地の規制当局はバッキンガム宮殿から数分の位置の物件に住む、37歳のトビー・ハーマンが2013年以来、エアビーアンドビーで物件を又貸ししていたことを突き止めた。

ハーマンはこの物件を「ビクトリア地区にある、居心地の良い部屋」として宣伝し、300以上のレビューを集めていた。彼はエアビーアンドビー上で偽名を用いていたが、当局は潜入調査で彼の本名を割り出し、銀行の明細から彼が数年間に渡り、利益を得ていたことを把握した。

ハーマンは容疑を否認したが、退去を命じられ、罰金の支払いを宣告された。当局はこのエリアの1500世帯について、エアビーアンドビーへの不正掲載がないかを調べている。

ロンドンの住宅管理当局のAndrew Smithは次のように述べた。「政府が提供するソーシャルホームは貧しい人々を支援するためのものであり、不正な利益を生むためのものではない。住宅の又貸しは違法であり、当局は今後もウェブサイト経由の不正行為の調査を進めていく」

Smithはさらに、英国政府に対しイギリス全土を対象とする、民泊の規制制度の導入を呼びかけていくと述べた。ロンドンでは昨年、24世帯のソーシャルホームの不正利用が発覚していた。エアビーアンドビーの広報担当は、問題の物件は既に掲載が中止されたと述べた。

「当社は常にホストらに対し、現地の法令遵守を呼びかけており、問題を発見した場合はただちに対応を行っている」と担当者は話した。「エアビーアンドビーはロンドン当局と連携をとる、唯一の民泊プラットフォームだ。当社はロンドン当局に対し、登録システムを開示し、適切なルールの運用を支援している」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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