ビジネス

2019.08.02

「人と組織」に向き合い、変化を続ける。名古屋HRスタートアップの現在地

スタメン代表の加藤厚史


2019年の5月末時点で200社ほどが導入しており、クラウドツールの導入だけでなく専任担当によるコンサルティングがつく、エモーショナルなサービスになっている。そもそも社内施策については、専門部署がなかったり、経験者がいないことも多く、運用が難しかった。その観点から社内エンゲージメント担当を一人雇うイメージでの運用面を評価して頂いての導入が増えており、順調に成長しているそうだ。

どちらかというと、TUNAGは組織状況をサーベイ(調査・分析)した後の、具体的なエンゲージメント向上施策をPDCAを回しながら、社内で自走化させていくことに強みを持っている。具体的な施策を提案するだけでなく、それをTUNAGに落とし込み、「利用が利用を呼ぶ」という形に仕上げていると強調する。ここまで顧客に寄り添うことで、どの企業とも直接的に競合することはないそうだ。

「健康診断で今の課題を把握しても、なかなか生活習慣の改善って続かないですよね。そうした時に、専門家である弊社がクラウドツールと人間力の両面で寄り添い、一緒に体質改善プログラムを行うイメージのサービスです」(加藤)



効率が悪くても、顧客に合わせた制度提案を行う

顧客一社一社ごとに企業風土や社員の意識、目指すビジョンも違う。それゆえ、社内の制度は一社として同じものはなく、200社で2500制度以上あるという。似た施策1つを選んでも、ネーミングや利用条件の全てが何を目的とするかによって設計から変わってくる。

「一社一社に合わせるのは大変ですが、その部分をクラウドツールである『TUNAG』がフォローしてくれています。システムでしっかりデータ集計しながら、『その施策は果たしてエンゲージメントに貢献しているのか』『今後効果が出そうなのか』といったことを考え、ご提案しています」(加藤)

制度設計自体を効率化することはできる。ただ、社長が違えば、その企業の歴史も違う。同じ「1on1面談」でも、企業によってその意味合いや期待する効果が変わってくると思っているんです。義務なのか、権利なのか、報告すべきなのか、その場合、何を共有すべきなのか…。
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文=大木一真 写真=小田駿一

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