ビジネス

2019.08.02

「人と組織」に向き合い、変化を続ける。名古屋HRスタートアップの現在地

スタメン代表の加藤厚史


新しいスタートアップ都市、名古屋での創業

スタメンは名古屋で創業した。名古屋は経済規模の面でも、優秀な人材の確保の面でも、事業の立ち上げにとても向いているという。

「名古屋はやっぱりいいなと思います。応援してくださる方が近くにいて、温かみがあるんです。また最近は元気なスタートアップも多く、横のつながりがあったりして、互いにいい刺激をもらっています」

名古屋では製造業や全国規模のサービス業の企業が多く、顧客の企業内には様々な濃いノウハウを持っているベテラン層も数多く在籍している。企業ごとにノウハウや技術はもちろん、会社としての心構えといったエモーショナルな部分もしっかり継承されており、そうした企業は地域でも全国でも勝ち残っている印象だそうだ。

また、同社の東京支社は昨年9月に西五反田へ拡張移転した。同時期に大阪や博多にも事業所を展開しており、伴走型のサービスならではの人員配置を全国に行っている。とはいえ、オフィスの内装は身分不相応にならないように工夫を重ねたり、昼休みには社員で料理を作るなど、社内交流も盛んに行っている。

顧客のエンゲージメント向上にコミットする「TUNAG」

創業期にプロダクトはなかったが、企業の「エンゲージメント」を高めるサービスを展開していこうと決めていた。まず最初に着目したのが企業の福利厚生を軸にしたサービス。しかし、福利厚生を駆使しても、従業員満足にとどまり、エンゲージメントの向上(信頼関係の構築)という観点では中々難しかった。また、従業員もそこまで福利厚生を求めておらず、経営者としても、どの程度効果があるか見えない、分からないという背景もあった。

そこで社内で行われている施策に視野を広げて、社長からのメッセージ、上長との1on1の面談、サンクスカード、日報、社内報、部活動など、社内全体の施策によるエンゲージメント向上のサービスへと事業の方向性を変えることになった。そのビジネスアイデアの延長線として生まれたのが、エンゲージメント経営コンサルティングサービス「TUNAG」だ。
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文=大木一真 写真=小田駿一

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