テクノロジー

2019.08.01 10:30

テック系ジャーナリストが「シード向けVC」に参画を決めた理由

(左から)Coral Capital 創業パートナーの澤山 陽平、パートナー兼編集長としてCoral Capitalに参画した西村賢、Coral Capital 創業パートナーCEOのJames Riney

ベンチャーキャピタル(VC)で働いている人に対して、多くの人は「金融業界のバックグラウンドを持っている」というイメージを持つことだろう。決して間違いではないが、昨今、海外の著名VCには元ジャーナリストがVCに転職する事例が増えてきている。

有名な例を挙げれば、「Time」誌を経てセコイア・キャピタルに参画したマイケル・モリッツや、テック系ブログメディア「TechCrunch」を経てグーグル ベンチャーズに参画したM.G.シーグラ―などがそうだろう。

日本では「TechCrunch Japan」元編集長の西田隆一がB Dash Venturesに参画した事例があるが、まだそうした転身は少ない。そんな中、この事例に続く形でジャーナリストがVCに参画する事例が出てきた。シード向けのスタートアップを対象としたVC「コーラルキャピタル(Coral Capital)」は8月1日、テック系ブログメディア「TechCrunch Japan」前編集長の西村賢がパートナー兼編集長として参画したことを明らかにした。

西村は2013年、TechCrunch Japan編集長に就任。日本のスタートアップ、起業家たちを5年にわたって取材した後、2018年にグーグルへ転職。グーグルでは戦略提携部でスタートアップ支援や投資関連業務に従事していた人物。

コーラルキャピタルに参画後、西村は自社ブログ「Coral Insights」における情報発信の責任者を務めるほか、新規投資先の開拓や投資業務なども行っていく。これにより、同社は日本の産業創出、スタートアップエコシステムの発展に向け、さらに尽力していく予定だという。

日本は起業家向けの情報が少ない

コーラルキャピタルは500 Startups Japanの創業メンバーであるジェームズ・ライニーと澤山陽平が中心となり、今年の3月にリブランディングして立ち上げたシードのスタートアップを対象としたVC(ファンドの運用総額は120億円)だ。昨今、シード・アーリーステージのスタートアップに投資するVCが増えてきている中、同ファンドは“起業家向けの情報発信”を特徴のひとつとしている。
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文=新國翔大

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