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2019.08.04

『アルファガールズ』 シリコンバレーの男性社会に挑んだ女性たち

JGI/Tom Grill / gettyimages

・2004年にセールスフォース・ドットコムが新規上場した際、マグダレーナはニューヨーク証券取引所に行く代わりに、自宅で病気の息子を看病することを選んだ。彼女は後に、男性ならそうはしなかっただろうと思い、自分の選択を悔やんだ。

・アクセル・パートナーズで働いていたテリーサは、優秀なベンチャーキャピタリストならだれもがするように、常に人脈作りに励んでいた。だがこれがうわさの元になる。取引成立のために、創業者たちと性的関係を持っているのではないか、といううわさだ。さらにひどいことに、このうわさはテリーサが妊娠してからも続いた。もっとも、人々の嫉妬は理解できる。テリーサは、フェイスブックへの1250万ドル(約13億6000万円)の投資を実現する手助けをしたのだ。フォーブスによれば、テリーサの保有資産総額は5億8000万ドル(約630億円)と推定される。

・テリーサの話をもう一つ。会社のパートナーたちは、テリーサの長期休暇を拒否した。しかし当然ながら、他の男性パートナーたちは何ら問題なく休暇を取得した。

・ソーニャは乳がんとの闘病中、赤ちゃんを養子に迎えた。しかしパートナーで見舞いに来た人はいなかった。

こうした興味深い話に満ちた『アルファガールズ』が、映画化やテレビ番組化の権利をめぐる争奪戦を起こしたことは、なんら驚きではない。アマゾン、ユニバーサル、ブレット・ラトナー、スモークハウスを破り権利を勝ち取ったのは、Welle Entertainmentだ。

『アルファガールズ』は、シリコンバレーの歴史の中でこれまでほぼ無視されてきた重要な部分を伝えている。また、進化と実現にしばしば何年もかかる重要な教訓を伝える手段も提供している。

MJはこう雄弁に語っている。「殉教者にならないこと。自分のニーズに対しもっとわがままになること。自分が好きな仕事にしがみつくこと。そして何をするにしても、他の誰かを幸せにするためにその場を去ることはしないこと」

編集=遠藤宗生

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