テクノロジー

2019.08.01 06:30

ドローン活用のフードデリバリー 思っているより近未来に実現?

ワシントンDCで開催のUber Elevate Summit 2019にて展示されたUber Eatsのドローン(Photo by Tasos Katopodis/Getty Images for Uber Elevate)

ワシントンDCで開催のUber Elevate Summit 2019にて展示されたUber Eatsのドローン(Photo by Tasos Katopodis/Getty Images for Uber Elevate)

レストラン業界ではこれからも、フードデリバリーが間違いなく続くはずだ。この分野では、次世代の技術である自動運転車やドローンモデルが間違いなく採用されるだろう。

テルアビブを拠点としドローン配送という難題に挑むフライトレックス(Flytrex)とアイスランド企業アハ(AHA)は2017年、ドローンを活用した配送を開始した。フライトレックスは現在、ノースカロライナ州の州都ローリー郊外にある非公開のレストランパートナーとフードデリバリーの試験を行なっている。その目的は、米連邦航空局(FAA)に情報を提供し、規制の枠組み作成を支援することだ。

グーグルやアマゾン、ウーバーなどの有名企業もフードデリバリーを試験している。グーグルの親会社アルファベットは4月、バージニア州でドローンを使って物資の配送をする許可をFAAから受けた。同社は現在既にオーストラリアでサービスを提供しており、その中にはフードサービス施設も含まれている。

一方アマゾンは「プライム・エア(Prime Air)」配送用ドローンを6月始めに発表し、今後数カ月で荷物の配送を開始する予定だ。

またウーバーも6月に、カリフォルニア州サンディエゴでドローン配送の試験を許可された。米技術メディアのテッククランチによれば、同社の最初の試験段階にはウーバーイーツのパートナー企業であるマクドナルドが含まれ、今年後半には他のレストランパートナーとも試験を行う計画だ。

これほど資金が豊富な重鎮企業が関与すれば、市場は迅速に進化するだろう。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ロボット工学とドローン業界では昨年だけで364のベンチャーキャピタル取引が行われ、その総額は約49億ドル(約5300億円)に上った。

ドローン配送の魅力はどこにあるのだろう? フライトレックスのヤリブ・バッシュ最高経営責任者(CEO)によると、最大の魅力はスピードだ。バッシュは、自動車を使った配送が少なくとも10~30分かかるのに対し、ドローン配送は5~10分しかかからないと見積もっている。

この数字を使えば、人口密度が高い地域で自動車を使った配送を行えば1時間に3件ほどしかこなせないのに対し、ドローンは1時間に15件の配送を完了できる。そのため少なくとも理論的には、レストランはドローン配送サービスを活用し、より多くの食事を売ることができるかもしれない。

「将来は即座に喜びを得ることが重要な時代になり、顧客は注文直後に食事が届くことを求めるようになる」とバッシュ。「私の予想では、これは数年の間に一般的になる。一度試してそのスピードを知れば、顧客は宅配業者の到着を待ちたくなくなるだろう」
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翻訳・編集=出田静

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