公立の研究機関も必要だ。独立した研究所を新設しても、既存の機関を拡張する形でもいい。生物指向型生産を研究する機関があれば、スタートアップは多額の投資を行うことなく、自社製品のテストなどを行うことができる。
関連のスタートアップ
数は少ないものの、いくつかのバイオテクノロジー企業が、すでに主要な都市圏以外を拠点に活動している。例えば、DNA合成を請け負うアイオワ州のインテグレーテッドDNAテクノロジーズ(Integrated DNA Technologies)、新たな発酵技術と代替肉の開発を目指すイリノイ州のサステイナブル・バイオプロダクツ(Sustainable Bioproducts)などだ。
その他、都市部を本拠とするスタートアップには、次のような企業がある。
・ニューヨークのイコベイティブ(Ecovative):キノコからプラスチックその他の代替品となる持続可能な素材を開発
・ボストンのギンコ・バイオワークス(Ginkgo Bioworks):酵母の発酵により生成される芳香成分からパフュームを開発
・シアトルのアージーダ(Arzeda):酵素を触媒とする新しい食品を開発
バイオテクノロジー分野の研究開発における新しいアイデア、創造的な政策、支援のためのインフラ、堅実な投資によって、これら以外にも数多くの企業が今後、この偉大な国に根付いていくことになるだろう。
米国が将来の製造業における競争力とインフラについて考える中で覚えておくべきことは、21世紀のインフラは、道路や橋ではないということだ。バイオエコノミー(生物経済)は、経済成長の重要な要素となるだろう。