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川島永嗣(Anadolu Agency / Getty Images)

昨シーズンの公式戦出場がわずか1試合だったGK川島永嗣が、リーグ・アンのRCストラスブールとの契約を2年間延長した。外国人選手枠が「3」と定められたフランスで、大ベテランの域に達した36歳の日本人ゴールキーパーが複数年契約を結んだのは快挙と言っていい。

守護神を担った昨夏のワールドカップ・ロシア大会以来、約1年ぶりに日の丸を背負った先のコパ・アメリカで何度も演じられたビッグセーブと、最後尾からチームメイトたちを鼓舞する雄々しい存在感の源泉となり、ストラスブール側に契約延長へ決意させた川島のぶれない生き様と、胸中に抱き続ける果てしなき夢を追った。


前向きに受け止めた第3ゴールキーパーの立場

逆の立場から、選手の側ではなくクラブの側から考えてみれば、川島永嗣が結んだ契約の価値がより鮮明に伝わってくる。リーグ・アンのRCストラスブールと、新たに2年契約が結ばれたことがクラブの公式ツイッター上で発表されたのは、ヨーロッパ時間の7月22日だった。

ヨーロッパ5大リーグのひとつ、フランスのリーグ・アンには外国人選手枠が存在する。EU(欧州連合)とEFTA(欧州自由貿易連合)に加盟するヨーロッパ諸国の、そしてコトヌー協定に調印したアフリカ諸国の国籍を有する選手以外では、登録および出場が最大3人までと定められている。

長丁場のシーズンを戦い抜くために、外国人選手枠に対しては各クラブともさまざまな考えを巡らせる。そして、ストラスブールは貴重な枠のひとつを、昨シーズンの公式戦出場が1試合だった36歳の日本人ゴールキーパーに、それも複数年契約を用意して行使することを決めた。

ビッグネームと呼ばれる一部の選手を除けば、ヨーロッパサッカー界では30歳という年齢を境に、周囲からの見られ方が一変するという。たとえば今年3月に30歳になった香川真司は、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)から出場機会を求めて、今年1月にベシクタシュJK(トルコ)へ期限付き移籍した昨シーズンを「非常に苦しかった」と振り返ったことがある。

「やはり30歳というのは、ヨーロッパでは特にシビアになる。年齢のことも含めて、いままでに経験したことのない、いろいろな現実を見せられました」

3月に36歳になった川島も年齢だけを見られて、さまざまな視線を浴びせられてきたことは想像に難くない。だからこそ、ストラスブールから契約延長の打診を受け、一度は契約満了を迎えてフリーの立場となりながらも、最終的に2年契約を結んだ交渉の軌跡は快挙と言っていい。

文=藤江直人

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