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先日開催された書籍見本市Book Expo 2019の会場で全米作家協会は、「インターネットで配布される書籍の違法コピーにより、出版社が失う売上は年間3億ドル(約326億円)に達している」と発表した。

同様なデータは過去にも示されていた。2017年のニールセンの調査では違法電子書籍による被害額は、米国で年間3億1500万ドルにのぼるとされた。イギリス知的財産庁も、2017年に英国で消費された全ての電子書籍のうち400万冊が違法コピーであると述べていた。

しかし、書籍の違法コピーが生まれる背景には、様々な要因が指摘されている。英紙ガーディアンは先日の記事で、違法サイトの運営者の主張を紹介したが、その中には「ターゲットとするのはお金には不自由しない著名作家のタイトルのみだ」と違法行為を正当化する者もいた。

さらに、「ネット上で違法コピーを配信する行為は、書店の万引きと同程度の経済的被害を与えない。オンラインとリアルな世界は別だ」との主張もあった。また、「全てのカルチャーは無料で提供されるべきだ」と論点をすり替える者もいた。

違法サイトが乱立する背景には、大規模な海賊版サイトが開設され、誰でもアクセス可能な状態でPDFなどのファイルが放置されていることもあげられる。

違法コピーの影響で売上が減少したため、シリーズ作品を完結できなくなったと述べる作家もいる。ウェブ漫画「ダイナソー・コミックス(Dinosaur Comics)」で知られるライアン・ノースは先日、膨大な数のファンたちが彼の作品の配信がキャンセルされたことに、抗議しているサイトを発見した。しかし、そのサイトは違法コピーを配信するサイトだった。

電子書籍の違法コピーはここ数年で利用が広まり、世界の出版社は年間数億ドルに及ぶ被害を被っている。

編集=上田裕資

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