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Jacob Lund / shutterstock.com

米国の3大映画館チェーンの1つに数えられる、リーガルシネマズ(Regal Cinemas)が月額サブスクリプション制度の「リーガル・アンリミテッド」を発表した。このサービスは月額18〜約24ドルを支払うことで、映画館に通い放題になるものだ。

リーガルシネマズは、AMCやシネパークと並ぶ米国の大手映画館チェーンだ。価格は利用者の居住地域によって変動し、ロサンゼルスやニューヨークなどでは、他の地域よりも高額になる。

競合のAMCは約1年前にサブスクリプションサービスのAMC Stubs A-Listを始動し、先日は会員数が86万人に達したと発表した。AMCは月額20〜24ドルで週に最大3本の映画が見放題のサービスを提供している。

全米3位の映画館チェーンのシネパークも、月額8.99ドルで毎月1本の映画が観られるサービスを提供し、会員は場内のスタンドで飲み物やフードのディスカウントが受けられる。

ネットフリックスやアマゾンプライムビデオ、Huluらの動画ストリーミング事業者が勢力を増す中で、既存の映画館チェーンはビジネスモデルの変革を迫られている。調査企業C3 MetricsのJeff Greenfieldは「映画館はサブスクリプション方式に切り替えることで収入を増やし、視聴データの収益化を図ることも可能になる」と話す。

映画館の通い放題サービスとしては、2017年12月にムービーパス(MoviePass)が会員数100万人突破を宣言したが、その後は収益が悪化し、現在はサービスを停止中だ。ムービーパスは「映画館版のネットフリックス」を標榜し、顧客に愛されたが黒字化を果たすことが出来なかった。

北米の映画興行収入は昨年、過去最大の120億ドル近くに達したものの、今年に入り売上は減少している。そんな状況下で、既存の映画館チェーンも新たな収益機会を模索している。

「映画業界はサブスクリプションに巨大な可能性を見出している」と映画に特化したファイナンスプラットフォームSlated共同創業者のStephan Paternotは話す。「月額制の導入で、映画業界は収益見込みを立てやすくなり、投資のリスクを抑えられる。さらに、顧客とダイレクトな関係を築くことで、プロモーション戦略を練りやすくなり、独立系の製作者にもチャンスが与えられる」という。

さらに、今年11月に北米で始動するディズニーの動画ストリーミングDisney+のポテンシャルにもPaternotは言及した。「ディズニーは動画ストリーミングで顧客と1対1の関係を築き、Disney+の月額サービスをテーマパークのイベントのチケット込みで提供するかもしれない」

ただし、映画館のサブスクリプション市場の拡大には障壁もある。「大半の顧客は既に何らかの動画ストリーミングサービスの会員になっており、劇場に足を運ぶとしても、特定の映画館チェーンに限られる。映画館の月額サービスは統合化が進み、生き残れるのは2社か3社になるだろう」

2019年の後半にネットフリックスは、マーティン・スコセッシ監督の大作伝記映画「アイリッシュマン」の配信を予定している。この映画がオンライン限定になるか、劇場公開を組み合わせたものになるのかにも、注目が注がれる。

編集=上田裕資

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