もうひとつ、チームを作るにあたって考えたことは、「100年続くブランド」を繋ぐ仲間が必要だということ。本物のブランドになれるかなれないかは100年ぐらい歴史が必要だと思っているんですが、「この100年やっていく」と腹を決めた時に、やっぱり組織がそれを繋いでいくんですよね。
大きな規模を目指している訳ではないんですが、社会的に大きな意味を持つブランドとして100年後も残っていくために、ちゃんとした組織にしていかなければならないと感じています。「ファクトリエ」の理念に共感してくれ、仕事と人生のwillがリンクしているメンバーたちがいて、大切なことを部下や周囲にきちんと伝えていける組織……。そんな組織が「日本から世界ブランドを作る」というビジョンを叶えるために必要だと思っています。
「やらないで後悔するリスク」は「やるリスク」の数百倍
──最後に、このVenture Naviの読者や、将来起業を目指す人たちへメッセージをお聞かせください。
思っていることが2つあって、ひとつは「ビジョンに魂が込もって、はっきりしていたら、『この指止まれ』で止まってくれる人は必ずいる」ということ。実際、私は創業から2年半の間は1人でやっていましたが、ビジョンに共感して手伝ってくれる8人のボランティアがいました。
いまは副業も徐々に解禁されているご時世ですから、市場がこうとか、戦略ありきではなくて、自分のやりたいことを純粋に目指してみたら、意外と「この指止まれ」で仲間は集まってくれるんじゃないでしょうか。
次に、「リスクを取らないことが人生最大のリスク」だということ。人生って借り物なので、死ぬのは来週かもしれないし、1ヶ月後かもしれないし、50年後かもしれない。そう考えたときに「後悔しない」ことこそが人生において一番大事だと思うんです。
リスクにも2つあって、ひとつは「やるリスク」、もうひとつは「やらないリスク」です。でも、2つを区別して考えている人はそう多くない。
私がよく言うことなんですけど、「目の前のことをやるリスク」は突き詰めて考えると金額で換算できるんです。「ああ、これだけ給料が減るな」とか「何百万借金しないといけないな」とか。でも、「やらないで後悔するリスク」はそれとは比べ物にならない。本当に数百倍だと思っています。お金では買えない、人生という借りている命をどう燃焼させるかということなのですから。
なので、腹の底から起業して何かやりたいと思っている人は「この指止まれ」から始めてほしいし、「リスクがあるから」とうじうじしているんだったら、「いやいや、やらないことの方がずっと大きなリスクでしょ!」と伝えたいですね。
連載:起業家たちの「頭の中」
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