この2人がいま、芸能界、映画業界の常識を覆そうと、映像制作プロダクション「新世界」を立ち上げ、新たな取り組みを行っている。
現在、村上虹郎と芋生悠(いもうはるか)がダブル主演を務める、和歌山を舞台に男女の逃避行を描いた映画『ソワレ』(2020年公開予定)のプロデュースを手がけているのだ。豊原と小泉が映画をプロデュースするのは初のこと。
また映画の制作にあたり、制作費とP&A費(プリント&広告費)を集めるため、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を活用してサポーターを募っている。
奇しくも“16歳”という同じ年齢で芸能界でのキャリアを歩み始めた豊原と小泉の2人。俳優、女優として長年のキャリアを積んできた中、なぜこのタイミングで共に映画制作プロダクションを立ち上げることにしたのか。
今回、『ソワレ』の撮影地である和歌山県を訪れ、豊原と小泉、一緒に話を聞いた。2人の口から熱っぽく語られたのは、日本の映画業界が抱えるジレンマ、そして俳優、女優としての独自のキャリア論だった──。折しも芸能界が揺れている。
今の芸能界や映画業界への提言とも言える2人の思いを、Forbes JAPANの独占取材で前編、後編に分けてお届けする。
日本映画の興行システムに感じた「違和感」
──なぜ、映像制作プロダクション「新世界」を立ち上げようと思ったのでしょうか?
豊原:たくさんの理由があるのですが、端的に申し上げると「自分たちの手で映像・映画を作ってみたい」という気持ちが前々から強くあったからです。そんな考えを持っていたところ、和歌山市出身のプロデューサー・前田和紀から外山文治さんに地方創生のための映画監督の依頼をいただいたので、「映画を作るのであれば会社を作ろう」ということで小泉さん、外山さんを含め数人で映像制作プロダクション「新世界合同会社」を立ち上げました。
私は10代の頃より俳優としてのキャリアをスタートさせてからドラマ・映画を含め、さまざまな作品に関わってきました。そうした中で日本映画の興行システムにおける大小の差に疑問を感じている部分があったんです。