ビジネス

2019.07.30

ファッション業界は「持続可能」に変われるか アディダスが刺激に?

Adidas FUTURECRAFT.LOOP 100%再生可能なランニングシューズ(Adidas提供)


他社も取り組み

アディダス以外の主要なブランドも、持続可能性の改善に向けた取り組みを行っていないわけではない。

ザラの親会社であり、年間売上高が307億ドルに上るインディテックスは、2025年までに全ての製品を100%オーガニックまたは持続可能な方法で生産された素材と、リサイクルされた原料を使用したものにする方針を打ち出している。

数多くの高級ブランドを傘下に持つLMVHは先ごろ、ステラ・マッカートニーのブランド「ステラ・マッカートニー」をパートナーに迎えることで合意したと発表した。マッカートニーは、「責任をもち、環境上適正な、そして持続可能な」ファッションを提唱してきたことで知られる。今後はLVMHにおいて、持続可能性への対応を主導していくことになるだろう。

ナイキもまた、アディダスが新たに発表した取り組みほど積極的ではないものの、持続可能な素材の選択において、同様の努力を続けている。同社によると、2018年度に製品に使用したポリエステルのうち、19%が再利用されたものだった。さらに、「ナイキ エア」のソールには2008年以降、リサイクルされた素材を50%使用しているという。

業界への批判

アディダスが「2024年まで」の対策を約束する中、ナイキを含めたファッション業界全体が、持続可能な未来に向けてより迅速な行動を取ることを求められている。

最近の調査によれば、持続可能性の改善に向けた努力で注目を浴びることもある一方で、この問題に対する同業界の取り組みは全く不十分だ。

経営コンサルティングのボストンコンサルティンググループと非営利組織の「グローバル・ファッション・アジェンダ」、持続可能な生産を目指す企業・団体の連合「サステナブル・アパレル・コーリション」が環境パフォーマンスについて実施した調査結果は、「同業界はこれまでのところ、大幅な前進が急務とされる中で、わずかな前進しかしていない」と指摘している。

編集=木内涼子

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