クリス・ヒューズ(Photo by Rahul Irani/The India Today Group via Getty Images)

フェイスブック共同創業者のクリス・ヒューズは、ここ10年の間、フェイスブックへの初期投資であげた利益をジャーナリズムや市民活動に注いできた。しかし、現在の保有資産が約4億ドル(約434億円)のヒューズは、フェイスブック時代のキャリアを完全に捨て去った訳ではない。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)やワシントン・ポストの報道によると、現在35歳のヒューズは先日、合衆国司法省や連邦取引委員会のメンバーと面談し、今後のフェイスブックの規制の在り方についてレクチャーを行ったという。

ヒューズはハーバード大学時代にマーク・ザッカーバーグのルームメイトとして過ごし、フェイスブックの創設に関わった。彼は現在、ニューヨーク大学のScott Hemphillや、コロンビア大学のTim Wuと共にキャンペーン活動を行っている。

NYTによると、ヒューズは先日、規制担当者らに39ページに及ぶプレゼンテーションを見せ、今後いかにしてフェイスブックを独禁法違反で取り締まるべきかを提案したという。彼によるとフェイスブックによるインスタグラムやワッツアップの買収は、同社がテック分野での競合を抑え込む戦略によるものだという。

フェイスブック側はヒューズの申し立てに反発し、一連の買収は「イノベーションに対する投資」だったと説明している。

ヒューズは以前から、フェイスブックを公然と批判してきた。5月に彼はNYTの紙面で「フェイスブックを分割すべきだ」との主張を展開した。

「私はフェイスブック設立に関わった事で、人生を変えるほどの富を手にしたが、彼らが成長を遂げる中で恐ろしさを感じるようになった。フェイスブックは2016年の米国大統領選挙を誤った方向に導き、その独占的パワーを用い、ケンブリッジアナリティカのようなスキャンダルを引き起こした」と彼は述べた。

大手テック企業の創立メンバーが、その企業の分割を提案するのは異例の動きだ。ヒューズはフェイスブックに3年間勤務した後、2007年に同社を去り、バラク・オバマの選挙キャンペーンに関わっていた。

「ベーシックインカム」も推進

フォーブスはフェイスブックが上場を果たした2012年時点で、ヒューズの保有資産が、7億ドルであると試算していた。そこには、IPO時の株式の売却で得た1億ドルが含まれていた。彼はその後、2012年の末までにフェイスブック株の大半を売却し、2016年にフォーブスは彼の保有資産が、4億3000万ドルまで下落したと試算した。

ヒューズは2010年に、NPO団体向けのソーシャルネットワークJumoを設立し、1年後に出版社のGoodに売却した。彼はその後、2012年に雑誌New Republicを500万ドルで買収し、追加で2000万ドルを投資した後、2016年に売却していた。

それ以来、ヒューズはフェイスブックへの抗議活動を活発させる一方で、ベーシックインカムを推進するシンクタンクのEconomic Security Projectを設立していた。

米FTCは7月24日、フェイスブックが消費者のプライバシー管理を適切に行わなかったとして、50億ドルの制裁金を科すと宣言した。フェイスブックの株価は、その後の時間外取引で約3%の上昇となっていた。

編集=上田裕資

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