ビジネス

2019.07.26 17:00

100年続くブランドをつくるために上場をする「2つの理由」|ライフスタイルアクセント山田敏夫




共感の連鎖を生む「全員広報」の精神

──先ほど「認知度は上げられる」とおっしゃいましたが、御社はマーケティングが非常に上手いという印象を持っております。他のベンチャー企業が、何か真似できるところはあるのでしょうか?

これはマーケティングというよりも冒頭にお話しした社員全員の「視座の高さ」からくる「巻き込み力」だと思います。

たとえば採用の話が持ち上がったら、私だけじゃなくメンバーみんな、友達に連絡したりシェアしたりしてくれます。

「正の経済圏」を世の中に作っていく上で、社員全員が広報であり、アンバサダーであり、代表なんですね。1人1人が家族や友人に対しても雄弁にファクトリエの魅力について語ってくれていることが、上手くいっている秘訣だと思います。

例えば、今年連載20周年を迎える「ONE PIECE」とのコラボアイテムを、作者の尾田栄一郎さんが熊本出身だということで発売したんです。この時も、弊社の社員の親戚がたまたま集英社で働いていて、そこからコラボ実現に繋げてくれたんですよ。

メディアに露出する方法はテクニック論としていろいろあると思いますが、本当の共感が生まれない限りは、おそらく一過性で終わってしまいます。我々も、普通の宣伝だけしていたらただの服屋ですよね(笑)。

でも、会社それぞれに個性や人格があって、それを伝えようとするメンバーがいて、だからこそ何かしら違う色に見えるわけです。

私が何か特別なことをしているのではなく、社員全員がどういう世界にしたいのか、それがどうファクトリエと繋がっているのか、ということを周囲に伝えてくれていることがマーケティングで成功しているように見える理由の本質だと思います。

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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