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BasPhoto / shutterstock.com

英国のイングランドとウェールズでは今年4月、警察がレイプ犯罪の捜査を行う場合、被害者が警察によるスマホ内のデータの調査に同意せねばならない制度が導入された。被害者はこれに同意しないと、被害を訴えることができなくなる。

当然のことながら、市民団体からはこの制度への反発の声があがっている。Digital Processing Noticesと呼ばれるこの制度は、警察がスマホ内のデータのほぼ全てをダウンロード可能にするものだ。

提出するデータにはテキストメッセージの内容や、通信アプリでの会話、音声通話履歴や連絡先、Eメールや写真、動画、ブラウザの閲覧履歴、ロケーション履歴が含まれる。

一方で、被害者のスマホ内から、別の犯罪に絡む情報が発見された場合、警察はその件でレイプ被害者の取り調べを行う可能性があるという。

市民権保護団体の「ビッグ・ブラザー・ウォッチ」は、この制度が許しがたいものであると抗議した。「このようなデジタル身体検査は、レイプ被害者の権利を侵害するものだ。スマホの内部には膨大な個人情報が収められている」と同団体のSilkie Carloは述べた。

12歳の少女がレイプ被害を受けた事件では、被告がレイプ行為を認めたにも関わらず、警察によるスマホ内のデータの精査の遅延を理由に、裁判が数カ月も遅れたという。

また、別の事件ではレイプ被害者のスマホの通話履歴を警察がチェックした結果、「レイプではなく同意の上での性行為だった」と推定されていた。被害にあった女性は、通話の相手がレイプ被害者の支援センターだったと主張したが、発信のタイミングから考えて、彼女がさほど深刻なダメージを受けていないと考えられたのだ。

「このような不適切な制度を、一刻も早く中止させなければならない」とビッグ・ブラザー・ウォッチは述べている。

議会では既にこの制度に対する反対意見の審議が始まった。レイプ被害者のデータ提出は同意に基づいて行われるべきであり、警察が入手できる情報は限定されるべきだというのが反対派の主張だ。

「多くの女性がレイプ被害の申し立てをためらっている。スマホ内のデータの提出を迫られることは、被害者をさらに苦しい立場に追い込む」とCentre for Womenの代表者は述べた。

「我々は今回の措置が違法であるとみなし、裁判を起こす準備を進めている。彼らはレイプ被害者の大半を占める、女性たちを差別しようとしている。さらに、個人のプライバシーの権利保護法にも違反している」と、代表者は述べた。

編集=上田裕資

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