湖が出現した場所はフランスとイタリアの国境に位置するモンブランにあるダン・デュ・ジュアンで、登山家のBryan Mestreが6月28日にその模様を撮影した。
ヨーロッパでは6月下旬に気温が40度に達する記録的な熱波が襲った。フランスでは史上初めて45度を超え、最高気温45.9度を記録した。それまでの最高記録は2003年の44.1度で、この時は数千人が亡くなっていた。
モンブランは標高が高く、年間を通して雪をかぶっている。しかし、2019年6月の熱波で新たな湖が出現し、モンブランの風景が変わった。湖は海抜3000メートル付近に位置しており、通常なら年中雪と氷で覆われている場所だ。
写真では花崗岩が露出しているのが確認できた。氷の表面の色は、解けるにつれて下の花崗岩が透けてくることによって白から黒に変わっていく。さらに、黒い部分が増えれば解ける速さが加速し、湖はさらに大きくなるだろう。撮影当時の湖の大きさは10メートル×30メートルだったという。
温暖化が深刻になるにつれて、このような事態は増えるだろう。今回の小さな湖によるエコシステムへの影響は限定的だが、地球が変化していることの大きな証拠といえる。