ファッショナブルな耳元にはやはりピアスは欠かせない、ピアスホールを開けなくては……。そんな常識はもう過去のもの。そこには意外と深いワケがあった。一体何が起きているのか。伊勢丹新宿店の担当者に聞いた。
「30代中盤から40代のお客様は比較的、ピアスホールを開けておられる方が多いです。20代のお客様は最近、ノンホール派が多いように感じます」
こう語るのは新宿婦人雑貨営業部 アクセサリー アシスタントマーチャンダイザーの奈良優子さん。ファッションに関心の高い伊勢丹新宿店の社員の中でも、実際ノンホール派は少なくないという。
「イヤーカフ」が牽引したイヤリングの充実ぶり
ピアスホールを開けた理由として、「ピアスの方がデザインのバリエーションが多いから」という人も多いだろう。数年前まで、それくらいノンホール派のためのイヤリングの種類は少なかった。そもそもイヤーアクセサリーと言えば全てピアス、という店も少なくなかった。ここ最近になって、イヤリングも展開する店が増えてきたのだ。
奈良さんによると、ノンホール派も楽しめるイヤリング人気を牽引したのは、「イヤーカフ」ではないかという。耳たぶより上の部分にクリップのように引っ掛けるように着用する形のアクセサリーだ。
「洗練された印象を与え、着ける位置も自在なのでレイヤード(重ね付け)が楽しめるのも人気の要因。鏡を見てピアス穴を確認しながら装着する必要はなく、片手で気軽に着用できる点も、現代の忙しい女性のライフスタイルに合っているように感じます」
手軽さとオシャレさが魅力だというイヤーカフ。この1、2年のうちにみるみる火がつき、イヤリング人気に繋がった。ピアスとの重ね付けを楽しむ人も。
メーカーやブランド側も、イヤーカフやイヤリングのラインナップを増やした。「この1、2年で急速にバリエーションが増えています。伊勢丹新宿店の本館1階アクセサリー売場でもイヤーカフやイヤリングを扱うブランド数が増え、ノンホール派のお客さまも商品の選択肢が増えています」