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ドクター本荘の「垣根を超える力」


友人は、小児科の医師から、母親がアレルギーで食べられないものを子供に与えないことについて、子供から機会を奪っていると批判されたそうです。確かにそうかもしれませんが、これに限らず、たとえ正論でも言われる側のことを考えていない例が数多くあります。

育児では、総じて「ママ頑張ってね」となります。ときには、「赤ちゃんファーストでいいじゃないか」「ママの甘えだ」など、母親はどうなってもいいから、赤ちゃんに良いことをしなさい、と言うメッセージもみられますが、母親が犠牲になって赤ちゃんがハッピーになることはないでしょう。



ストレスだらけの母親は、赤ちゃんに対して余裕がありません。夫に対してもそうです。すると、家庭は暗くなり、赤ちゃんにとってもいいわけありません。

母親が暗くなると、赤ちゃんへの心配事が増すほか、「可愛いはずの赤ちゃんへの愛情が実感できない」や「赤ちゃんの世話が十分にできない」、さらに「自分は母親としての資格がない」といった母親としての自分を責めることにもなります。こうした様子が一部みられた産後うつのママにお会いしたこともあります。

これでは、産直後の母子の大切な出会いの時期に、赤ちゃんのへの自然な対応やコミュニケーションが難しくなります。こうして母子関係障害が起こると、その後の子どもの情動調整、衝動制御、認知発達に影響を及ぼすとの報告もあります。だからママもハッピーでいて欲しいのです。

連載:ドクター本荘の「垣根を超える力」
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文=本荘修二 写真=Getty Images

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