ビジネス

2019.07.26

名古屋発ゲームベンチャーの挑戦。ワンダープラネットはなぜヒット作を輩出できるのか?

ワンダープラネット 常川友樹

2018年、中国など海外勢のスマートフォン向けゲームが日本のセールスランキング上位に入るようになり、日本のスマホゲーム市場はよりグローバル化の流れにある。一方、グローバル展開を行い、海外のゲーム需要の開拓に取り組んでいる日本のゲーム企業も少なくない。「楽しいね!を、世界中の日常へ。」というMISSIONを掲げる名古屋発のスタートアップ、ワンダープラネットもその1つだ。

同社は2019年7月、クールジャパン機構を引受先とする第三者割当増資により、最大10億円の出資を決定したと発表。2017年7月に同社がEight Roads Ventures Japanを引受先に実施した10億円の第三者割当増資に次ぐ大型調達である。2012年9月の設立以来、グローバル市場をターゲットにプロダクトの開発・運営を手掛けており、2015年に配信開始した自社タイトル「クラッシュフィーバー」は世界累計1,000万ダウンロードを突破、日本版は5年目、繁体字中国語版は4年目の運営に入っている。

最近では、2018年に日本版の配信を開始した『週刊少年ジャンプ』創刊50周年記念タイトル「ジャンプチ ヒーローズ」が2019年6月に繁体字中国語版の配信を開始し、海外で好調なセールスを記録している。また、2019年4月にスクウェア・エニックスとの協業で「VALKYRIE ANATOMIA-THE ORIGIN-」の英語版・繁体字中国語版の配信を開始。自社および他社タイトルのグローバル展開を推し進めている。



今回の資金調達により、既存運営タイトルの更なるグローバル展開強化に加え、詳細は順次公開していくが、検討段階にある新規タイトル開発にも注力していきたいと考えている。

名古屋から世界へ「楽しいね!」を届ける

多くの企業がスマホゲームに参入しはじめた、まさに黄金期である2012年の9月に、ワンダープラネットは創業した。同年の2月にガンホーの「パズル&ドラゴンズ」がリリースされた瞬間、代表の常川の頭の中では「いよいよネイティブなスマホゲームの時代がくるな」と感じたという。
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文=大木一真、写真=小田駿一

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