ビジネス

2019.07.25

米アマゾンが不動産業界に参入、仲介大手リアロジーと提携

Kristen Prahl / shutterstock.com

アマゾン・ドット・コムがまた、伝統ある業界を大きく変える事業に進出することになった──今度は不動産だ。

同社が提携する不動産仲介会社リアロジー(Realogy)と共に発表したところによると、新事業は米国人の住宅購入の方法、そして引っ越しの方法を様変わりさせるものになるかもしれない。

「TurnKey(ターンキー、鍵を回す)」と名付けられたこの新しいプログラムは、首都ワシントンをはじめ米国の主要15都市圏で住宅を探す人たちと、地元の仲介業者(エージェント)を瞬時につなぐことを可能にする。

プログラムに参加するのは、コールドウェルバンカー、センチュリー21、サザビーズ インターナショナル リアルティなど、事前審査を受け、高い評価を受けたリアロジー傘下の複数のエージェントだ。

これらのエージェントを通じて購入契約を結んだ住宅購入者には、アマゾンが1000~5000ドル(約11万~54万円)相当の製品やサービスを特典として提供する。

リアロジーのシニア・バイスプレジデントで戦略部門の責任者であるエリック・チェシンによると、「ターンキー」のアイデアは、契約締結までのプロセス以外の部分で、住宅購入者により多くの価値を提供したいという各エージェントの願いから生まれたものだ。チェシンはプログラムについて、次のように説明している。

「これまで住宅を手に入れることには、基本的に2つの段階があった。まずは住宅を探して見つけ、契約して購入すること。そして、それとは全く別のものとなる、入居して暮らし始めることだ」

「私たちは、これらが住宅購入者にとっては一つのつながりのあるプロセスであることを認識している。そのためアマゾンと共に、この一連の過程において購入者にサービスを提供できるプログラムを開発した」

まずはサイトにアクセス

「ターンキー」のプログラムは、以下のような仕組みになっている。

住宅の購入希望者はまず、アマゾン・ドット・コムのターンキーのサイトにアクセスし、4つの情報(氏名、電話番号、メールアドレス、住宅購入を希望する都市名)を入力する。

数分後にはターンキーからメールで返信があり、その後、電話で連絡を取る。簡単な説明の後、ターンキーは購入者が住宅を探している地域の不動産エージェントを選び、両者の間をつなぐ。そこから先はエージェントが引き継ぎ、実際に希望に合った住宅探しを開始する。
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編集=木内涼子

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