ウーバーからは今年5月末にも、同社の初期従業員でビリオネアのライアン・グレーブズが役員を辞任していた。同社の役員会には現在、9人が残っている。前CEOのトラビス・カラニックや、ウーバーの共同創業者のギャレット・キャンプ、ロナルド・シュガー会長らだ。
ハフィントンは声明で、今後は自身で設立したウェルネス系のスタートアップ「Thrive Global」の運営に専念すると述べた。マット・コーラーはカラニックが2017年6月にウーバーのCEOを辞職した後に、ベンチマークキャピタルから同社に派遣されて役員になったが、約2年でその地位を去ることになった。
ハフィントンとコーラーは、2017年からウーバーに噴出したセクハラ問題や乗客レイプ事件、幹部らの韓国での売春疑惑などのスキャンダルの嵐に揺れた、組織の建て直しに関わってきた。
カラニックと親しいハフィントンは、彼に代わって会社の顔役を務め、ドライバーの待遇改善措置などを打ち出した。一方でコーラーは、カラニックを会社から追放しようと企む投資家らの調整役を果たした。
しかし、ウーバーの役員会の構成はかなり複雑な状態だ。カラニックが3議席を握っている一方で、出資元のソフトバンクは2議席を確保しようとしたが、当局の承認の遅れで確保は実現できていなかった。また、ウーバーがIPOを実現した時点でソフトバンクは議席の確保権を失うと、上場申請書には記載されていた。
また、コーラーが会社を離れた今、ベンチマークも議席を失った。既に上場を果たしたウーバーが、新たな議席を追加する場合、そのプロセスは上場企業の基準に沿った形で行われることになり、議席を確保済みのカラニックが有利になるかもしれない。