検閲に関するニュースはロシアの全国紙各社で取り上げられた。これにより、ロシアからの読者層はむしろ増えたという。「これから分かるのは、ロシアでは仮想プライベートネットワーク(VPN)の使用による検閲回避が急速に一般的になりつつあるということだ」とニルセンは語る。ニルセンによると、バレンツ・オブザーバーの世界中の読者の約20%がロシアに居住している。
人権団体はバレンツ・オブザーバーを支持
サンクトペテルブルクの人権団体「反差別センター(ADC)メモリアル」は、バレンツ・オブザーバーを支援する組織の一つだ。ADCメモリアルは、検閲の対象となった記事を削除しないとした同サイトの決断を支持している。ADCメモリアルのステファニア・クラエワ代表は「私たちは、サーミ人のゲイ男性とのインタビューが非常に重要なもので、この記事の禁止は明らかな差別だと考えている」と述べた。
ニルセンは、バレンツ・オブザーバーが訴訟では有利な立場にあると考えているが、ロスコムナゾールの決断が支持された場合には上訴し、「最後まで闘う」構えだ。審理は当初、今月12日に行われる予定だったが、ロスコムナゾールの要請で延期され、モスクワ市裁判所で25日に行われる。判決は9月に出る見通しだ。