ライフスタイル

2019.07.27 11:00

揃えるからこそ多様性が生まれる「バラバラbutつながりたい」

昨今ダイバーシティが注目されます。実は全部バラバラで独立する多様性より、どこかにつながりを作ったほうが、多様な個性が際立ちます。今人々の中で本能的に「バラバラだけど、つながっていることを好む現象」が現れています。


最近、「バラバラだけど、つながっていること」「同じだけど、違うもの」を好む現象が見られます。

象徴的な例を挙げると、同じテイストに揃えながら多様性をもたせる「シミラールック」が流行しています。シミラールックとは、名前の通り「似ているコーデ」のこと。同じ服をお揃いで着る「ペアルック」や「双子コーデ」が昔流行ったことを覚えている方も多いと思います。

シミラールックは、アイテム・色み・柄・素材・髪型などのいずれかを揃えて一緒にすることで、雰囲気に統一感をもたせます。完全に同じではなく、着ているものは全然違うけど似ているとか、どこか統一感があるという感覚をもてるようにするのが特徴です。


bonとpon(@bonpon511)お揃いグレイヘアとリンクコーデで、世界が憧れる60代夫婦。

全身お揃いは少し恥ずかしいと思う人でも、シミラールックなら取り入れやすいという理由で、若者世代のカップルや友達同士だけでなく、親子や老夫婦など幅広い世代に流行しています。

雰囲気をお揃いにするシミラールックと、まったく同じお揃いにするペアルックの中間に、一部分を同じアイテムで揃える「リンクコーデ」があります。リンクコーデの一種に、古くはドレスコードがあります。ドレスコードはその場所での服装の決まりで、パジャマパーティならばドレスコードはパジャマになったり、ジーンズがドレスコードの集いもあります。

お揃いの度合いで並べると、以下のような感じ。バラバラなのにリンクしているところにときめくのです。

1.ペアルック・双子コーデ(まったく同じ)> 2.リンクコーデ・ドレスコード(一部分を揃える)≒ 3.シミラールック(お揃いのテイスト)

「バラバラだけど、つながっていること」を好む現象が影響を及ぼしている事例は他にもあります。例えば、ブライズメイドの変化。

ブライズメイドとは、結婚式で花嫁のサポートをする女性のこと。アメリカやヨーロッパでは結婚式の定番の演出なので、海外映画やドラマで見たことがある人もいるかもしれません。ブライズメイドは、白以外のお揃いのドレスを着て結婚式に参列し、式を盛り上げます。ブライズメイドを取り入れると結婚式がオシャレで華やぐという理由で、最近、日本の結婚式でもブライズメイドの演出をする人が増え始めています。

最近では、まったく同じドレスを着るのではなく、シミラールックやリンクコーデ化したブライズメイドが見られます。自分に似合うドレスがタイトスカートかフレアスカートか、肩を出すものか出さないものか、好みや体形によって、1人ひとり違いがあります。一番自分が魅力的に見えるドレスを自由に選択することができるようになったということです。
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文=阿佐見綾香 イラストレーション=尾黒ケンジ

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