日本のように「上司が言えばこうなんだ」という文化はありません。おかしかったら「おかしい」と平気で言う。そういう人たちがいかにモチベーションを持ってやってもらえるか、というのは常に考えています。社長としてはビジョンとミッション、バリューを伝えるのが最も重要だと思っています。
みんなが目標に向かっていくために「なぜ」今こういう事業をしているのか、繰り返し伝えていく。そしてチームには基本的に「こういうマイルトーンがあるんだけど、何ができるかな?」と伝えて、自分で考えてもらっています。
──昨年4月には資金調達を発表しました。MBAで起業を学ぶ学生たちのためのグローバルな団体、インターナショナル・ベンチャーキャピタル・インベストメント・コンペティション(VCIC)の審査員も務められています。米国で女性起業家の資金調達は全体の3%弱と厳しい数字もありますが、アドバイスはありますか?
自身では、あまり女性による難しさを意識したことはありません。投資家に向けてのピッチでは女性男性関係なく、マーケットの可能性と成功確率が重要になると思います。しかし、女性に限って考えてみると、投資家の人から何度か聞いたことがあるのは「女性起業家はあまり大きなビジネスを考えない」という言葉です。
もしそういったミスコンセプト(定評)のようなものが回っているとすれば、先入観を持たれている可能性があるので、プレゼンをする時に「いかに自分のアイデアが世界を変えるのか」「本当に大きなビジネスになるんだ」ということを強調した方がいいと思います。どうやってやるのか、と言うとやはり最終的には数字でビジネスモデルやスケーラビリティのあるKPIを強調していくことだと思います。
──来て欲しいと思う未来はどういうものですか?
選択肢が際限なく得られるような社会が来るのではないかと思っています。具体的には地域や住んでいる場所がボーダーレスになり、どこに住んでいるか、というのが重要ではなくなるのではないか。
また、ジェンダーレスになって「男性だから、女性だからこう」というのも関係なくなる。アメリカではLGBT+のカップルが子どもを持つのは当たり前になっています。結婚しなくても精子バンクで子どもを持つ人もたくさんいます。
学生ローンや金融システムにも画期的なものが出てきて、貧富の差もなくなるのではないか。今あるバウンダリー(境界線)がなくなって、自分の価値観に沿った人生が送れる世界になるのではないか。そう思っています。
さらに詳しい記事は7月25日発売「セルフメイドウーマン」特集号にて掲載。
ときおか・まりこ◎EasMeetEast共同創業者兼CEO。兵庫県生まれ。オックスフォード大学でMBAを取得後、ロンドンで教育系アプリQuipperを共同創業(同社は15年にリクルートが48億円で買収)。13年にニューヨークでEastMeetEastを共同創業。現在1歳児を持つ新米ママ。19年6月よりアステリア社外取締役。