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順風満帆だったわけではない

日本郵便のイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」で最優秀賞に輝き、名だたる企業から資金を調達するなど、一見すると順風満帆な会社経営に思えるが、会社を立ち上げてからの道のりは決して平坦ではなかった。名古屋大学1年時に、組み合わせ最適化に出会い魅了された松下は、4年時に希望通り最適化の研究室に配属された。

しかし優れた最適化の理論が社会実装されていないことに課題を感じたという。数多くの企業をまわるも学生であることから門前払いされたのをきっかけに、最適化コンサルティングを軸に据えた会社を立ち上げた。売上が立たず苦悩の日々が続いた。そんな折に参画したのがCTOを務める高田陽介だ。

大手システム会社に勤務し、もともと大学院で配送計画の研究をしていた高田は、配送計画のアルゴリズム、配送の最適化が得意だった。折しも物流業界は人手不足や宅配物の急増により「宅配クライシス」と言われ、またとないチャンスだった。そこで配送ルートの最適化に特化した。

名古屋に拠点を構える意味

主な顧客の多くが東京を拠点に営業する企業だが、OPTIMINDは名古屋に拠点を構える。その理由について松下はこう話す。

「名古屋大学の柳浦(睦憲)教授に技術顧問になっていただいているなど、最適化の研究者との密接な連携により、最先端の技術を日々研究開発しているため、名古屋に拠点を置いています。また『名古屋から世界へ』と、東京だけでなく、海外をも見据えています」



また、今後のビジョンについて松下は、「5年後くらいを目処に、IPOを目指しています。なぜなら将来的にはラストワンマイルのあらゆるモビリティを、人の生活を支えるために、産業の持続性を支えるために、最適化技術を提供し続けるインフラ的企業になりたい。現在はラストワンマイルの最適化ですが、今後は人や街の最適化を目指している」と語った。

人手不足で苦しむ物流業界の救世主となりつつある松下らの挑戦は、物流業界に本格的な革命を起こせるのか。

文=本多カツヒロ 写真=小田駿一

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