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OPTIMINDの松下健

日本郵便初のオープンイノベーションプログラムで最優秀賞に輝いた名古屋大学発のテックスタートアップ、OPTIMIND(オプティマインド)。「世界のラストワンマイルを最適化する」というミッションを掲げる同社は、2015年6月、名古屋大学の学生だった松下健代表取締役社長らが立ち上げた。2018年6月にティアフォー、寺田倉庫から資金を調達し、現在4期目となる。

配送ルートを最適化する

OPTIMINDの主な事業は、配送ルートの最適化を簡単に行えるクラウドサービス「Loogia(ルージア)」の販売、提供であるSaaS(Softwear as a Srvice)事業。PaaS(Platform as a Service)事業、AaaS(Algorithm as a Service)事業の3つで構成される。

「Loogia」はどの車両が、どの配送先を、どの順番でまわると最適なのかを、組み合わせ最適化と機械学習を使い導き出す。



「これまでにも似たようなシステムはありましたが、実際には走れないルートを走るよう指示したり、導入コストが数100万円から1000万円以上もかかりました。これでは9割以上が中小企業と言われる物流業界では導入できません。Loogiaは初期コストゼロで、月額4980円~から利用できます。配送個数は増加していますが、ドライバーの人手不足は深刻です。だからこそ、効率化、最適化が必要なのです」と松下は自社サービスの社会的意義について語る。同社のサービスは宅配、宅食、酒販、食品や薬品の卸などで活用されている。

ちなみに、組み合わせ最適化とは、第一次世界大戦中にイギリス海軍で発達したと言われるオペレーションズ・リサーチ(OR)の一分野で、代表的なものに巡回セールスマン問題などがある。

新人でも即戦力化するテクノロジー

これまでいかに効率的に配送するかは、ドライバーの経験や勘といった個々人の力量に委ねられていた。OPTIMINDのシステムでは、リアルタイムの動態進捗管理機能を搭載し、配送車両の場所、作業の進捗度、利用した道などが2秒に1回、GPSで判別できるようになっている。

「自社で取得したGPSデータや、東京海上日動をはじめとする提携先から得られたGPSデータと連携し、どういった道路特性ならば、どれくらいの走行速度で走ることができるかがわかります。これによりデータのない土地でも道路種別により大まかな走行時間を推定できる。また、道路事情の制約、走行速度などの実積、車両がどこに停車して配送しているのかなど、地図上にないデータも機械学習させ、配送現場のさまざまな要素を蓄積し配送地図を共創しています」



今後はさらに事故情報やイベント情報なども取り入れ、業種、企業の枠を超えた街全体の最適化を行いたいという。このようなサービスにより、これまでドライバーの経験に頼っていた配送ルートが最適化され、新人ドライバーでもベテランドライバーとの作業時間の差がほとんどなくなり、即戦力化することができる。

文=本多カツヒロ 写真=小田駿一

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