「培養肉」の名称は問題? 消費者の混乱を招くのか

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遺伝子組み換え食品の場合と同様に、「培養肉を何と呼ぶべきか」は最初から問題になっていた。だが、これを他に何と呼べばいいのだろう?「ラボ(実験室)・ミート」とすればハイテクな感じがするが、聞き慣れない言葉であり、自然なものではないとの印象を受ける。

ブライアントは、「多くの人は、自然は良いもの、不自然は悪いもの、と考える」「しかし、その他の多くの直感的な評価と同様、その考えには全く根拠がない」と語る。

また、「培養肉を知っているかどうかが、受け入るかどうかにつながることを示すデータがある」として、「…長い目でみれば、世間の受容度は高まると考えている」。

混乱はすでに発生

一方、この新たな代替肉を巡る戦いは、すでに政治的な問題になっている。一部の州では培養肉を生産する企業に対し、従来の方法で生産された肉以外のもの名称に「肉」という単語を使うことを禁止する法案が提出、または可決されている。

こうした法律を支持する人たちは、消費者が混乱すると主張する。だが、ブライアントは、「実際に混乱していることを示す証拠はない」として、既存の畜産業を守りたいだけの「保護主義的な考えによるもの」との見方を示す。

ただし、植物由来の代替製品については、実際に栄養価に関する点でいくらか混乱が生じている。アーモンドミルクと牛乳の違い、「インポッシブル・バーガー」と従来のビーフバーガーの違いに関する誤解がその例だ。

アレルギーやその他の理由で肉を避けたい消費者には、培養肉が(植物由来の代替肉とは異なり)、従来の肉と同じであることを知らせる必要がある。それができない名称を付けることは、誤解を招く原因だ。

編集=木内涼子

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