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英国のデジタル銀行「Atom Bank」は昨年、6600万ドル(約71億円)の損失を生んだが著名投資家のニール・ウッドフォードから新たな資金を獲得した。Atom Bankは新規で6200万ドル(約67億円)を調達するが、このうち1200万ドルがウッドフォードの資金であることが確認された。

新たな資金はウッドフォードのスタートアップ向けのファンド、Patient Capital Trustからもたらされた。ウッドフォードは逆張り投資戦略によって著名ファンドマネージャーとなったが、彼が46億ドルを運用するEquity Income fundはハイリスクな投資を行っていたことで批判を浴び、厳しい状況に直面していた。

Equity Income fundからは、6月上旬から投資家らが数十億ポンドの資金を引き上げ、解約受け付けを停止していた。

今回のAtomへの出資には、スペインのBBVAやロンドンのToscafund、Perscitusらも参加した。Atomは新たな資金でテクノロジーを整備し、今後の成長につなげると述べている。

2014年にマーク・マレンと元Metro BankのCEOのアンソニー・トンプソンらが設立したAtomは、これまで累計で5億6100万ドル以上を調達している。Atomは英国で設立されたデジタル銀行の先駆けでミレニアル世代を主要顧客とし、MonzoやRevolut、Starlingなどのスタートアップに先行していた。

Atomは小規模ビジネス向けローンや住宅ローン及び貯蓄アカウントを提供し、他のデジタル銀行と差別化を果たそうとしていた。しかし、同社は不動産担保ローン市場での競争に直面し、業績を伸ばせずにいた。

Atomの不動産ローンと小規模ビジネス向けの総貸出額は昨年、76%の伸びで30億ドルに達していた。一方で、預入金は17億ドルから22億ドルに伸びていた。しかし、損失額も2017年から2018年にかけて5200万ドルから6600万ドルに膨らんでいた。

同社のマーク・マレンCEOは声明で「顧客らに良いプロダクトを届けるため、オペレーションの改善を図ってきた」と述べた。「今年は50人を新規に雇用し、プロダクトラインを拡大し、秋には預金サービスに新たなラインアップを加える」とマレンは続けた。

編集=上田裕資

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