ビジネス

2019.07.23 12:00

リニア開通の2027年、名古屋は「スタートアップに最高の場所」となっている

MTG Venturesの藤田豪

MTG Venturesの藤田豪

「名古屋のIPOのマーケット規模は、これまで全国で3-5%ほど、100社上場するうちの3社ほどしか名古屋の企業はなかった」
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こう語るのは、MTG Venturesの藤田豪だ。親会社であるMTG(以下、MTG)は美容ローラーでおなじみの美容ブランド「ReFa」やトレーニング・ギア「SIXPAD」の開発・販売を手掛けており、2018年には東証マザーズに上場した。代表を務める藤田は新卒でジャフコに入社後、22年間、VCとしてスタートアップからレーターステージまでの投資、投資先各社での取締役就任、ファンドの募集などを手掛けてきた。またジャフコ中部支社長を務めたほか、中部ニュービジネス協議会運営委員(現:理事)を務めるなど、名古屋のスタートアップシーンの変遷を見続けてきた人物だ。

名古屋の中心産業は自動車や航空機であり、大企業のメーカー下請けの企業の比率が高い。上場には企業の利益成長が必要であるため、名古屋の製造業の企業はIPOには向いていない。そのため、非製造業、つまりサービス業の上場企業の比率が高いのが名古屋の特徴だ。代表格としては飲食事業の壱番屋(CoCo壱番屋)やコメダホールディングス(珈琲所コメダ珈琲店)、リユース事業のコメ兵などが挙げられる。

「名古屋独特の企業風土がありながらも、最近では名古屋大学をはじめ、スタートアップの人材育成に力を入れています。若者の大学生支援だけでなく、大学の先生たちが起業する両方のパターンが生まれています。名古屋大学では東海地域の7大学と一緒に『東海地区大学広域ベンチャーファンド』を立ち上げ、大学発の資金もでてくるようになりました。イグジット件数も増えてきたことで、エンジェル投資家やシードラウンドのVCの人数も少しずつ増えてきたことで、資金調達の環境は少しずつ良くなってきましたね」(藤田)
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また資金だけでなく、結婚や出産を機にUターンを選ぶ人が増えたことで、人材の確保もしやすくなってきているという。東京を始めとした大都市圏から、様々な業種、職種の人材の流入によって、これまで製造業が中心であった名古屋市場に幅ができてきた。
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文=大木一真 写真=小田駿一

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