ファーウェイに北朝鮮支援疑惑、中国国営「パンダ」と共同で

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中国のファーウェイにまた新たな疑惑が浮上した。米ワシントン・ポストは7月22日、ファーウェイが中国の国営企業「パンダ・インターナショナル」と8年以上にわたり提携を結び、北朝鮮の無線通信網の構築などを行っていたと報じた。

米国政府は以前からファーウェイと北朝鮮のつながりを指摘していた。ファーウェイは、部品に米国の技術を用いており、報道が事実であれば、米国の輸出規制に違反する可能性がある。

ワシントン・ポストの取材に対し、ファーウェイは「北朝鮮でいかなる事業も運営していない」と述べた。しかし、米国務省関係者は「ファーウェイは信頼に足る企業とはいえない。彼らは以前から米国が定めた輸出規制を回避する動きをとってきた」と反論した。

ファーウェイと中国国営のパンダ・インターナショナルは、商用無線通信網の構築を進めてきたとされている。ワシントン・ポストが入手した書類は、ファーウェイの技術が中国の丹東市経由で北朝鮮に持ち込まれた可能性を示唆した。さらに、同社のテクノロジーがイランやシリアにまで流出していた事も考えられるという。リークされた書類で、北朝鮮のコードネームはA9として記載されていた。

シンクタンクHJSのJohn Hemmingsは筆者の取材に次のように述べた。「ファーウェイの幹部は以前から、現地の法律に従って事業運営を行っていると話してきた。この理屈で、彼らは新疆ウイグル自治区における監視システムの構築をも正当化してきた。しかし、ファーウェイが北朝鮮やイランに技術提供を行っていたなら、米国製部品を用いる同社が、米国の禁輸措置に違反したことは明らかだ。合衆国司法省が、この件で調査を行うことは避けられない」

ファーウェイは同社の主力ビジネスであるスマートフォン事業でも苦境に陥っている。トランプ政権によってブラックリスト入りを宣言されたファーウェイは、先日からこの措置の解除を求める姿勢を見せていた。

また、ファーウェイは以前から独自開発したOSの「HongMeng」をスマートフォンに用いると述べていたが、7月18日に同社幹部のCatherine Chenは「このOSはスマートフォン用に設計されたものではない」と発言し、今後もアンドロイドOSを使い続けたい意志を明かしていた。

北朝鮮に絡む疑惑が浮上した今、ファーウェイがさらに厳しい立場に追い込まれたことは明らかだ。

編集=上田裕資

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