テルアビブ本拠のUVeyeはAIとマシンラーニングを組み合わせた画像解析システムにより、ドライブスルー形式で車両検査サービスが可能なシステムを構築した。このシステムを用いると、これまで人間の目視検査に頼っていた車両検査が自動化できる。
UVeyeの撮影ユニットは車両下部の画像を撮影し、分析することで車両の異常を検知する。同社CEOのAmir Heverは「当社のシステムは2ミリメートル程度の小さな傷から、車体のトラブルを突き止める」と述べた。
このシステムは自動車工場での最終チェック工程で活用可能なほか、ディーラーやレンタカー企業、保険企業の活用も想定できる。UVeyeは車両下部の検査ユニットだけでなく、ボディーやタイヤを検査するシステムも開発中だ。
「当社の顧客は3つの検査ユニットを組み合わせて利用可能だが、それぞれのユニットを単独で用いることもできる」とHeverは述べた。今回のUVeyeへの出資には、豊田通商だけでなくボルボや保険企業のW.R.バークレーも参加しており、各社はそれぞれの利用ケースを想定している。
ボルボの場合は自動車工場やディーラー、メンテナンス工場での活用を計画中という。「ボルボにとって製品のクオリティは非常に重要だ。UVeyeのテクノロジーには大いに期待できる」とVolvo Cars Tech FundのCEOのZaki Fasihuddinは声明で述べた。
豊田通商は、UVeyeの検査ユニットの中古販売店での利用を計画中という。さらに、W.R.バークレーは保険企業向けにドライブスルー型の車両検査を実施したい考えだ。
UVeyeは既にダイムラーや欧州のシュコダ・オートとも提携を結んでおり、これ以外にも少なくとも2社の匿名のメーカーと契約済みという。Heverは今後、同社の検査ユニットが中古車のオークションなどでも活用されると述べた。
「UVeyeの技術には航空機業界も関心を示しているが、当面の間は自動車分野に注力していきたい」とHeverは語った。